fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

SAL75300 75-300mm F4.5-5.6

スペック的には平凡な望遠ズームなのであまり期待しないで手にしたが、意外にもしっかりした造りで驚く。このクラスのレンズは軽くて華奢なイメージが強いので良い意味で期待を裏切られた。

造りに見合った重さはあるものの取り扱いやすい大きさなので積極的に使う気にさせてくれる。この「使う気になる」かどうかは結構重要で、あまりに大きく重いレンズだといくら高性能でも持ち出す気にならず、結局防湿庫に鎮座するだけの置物になってしまうことも多い。このレンズは中古価格も安いため神経質になることなく気軽に持ち出せる。

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モーター内蔵ではないためミラーレスαで使う時はLA-EA4を経由することになるのがやや残念。LA-EA4でのAF速度に不満はないが、被写体によっては意図した位置になかなかピントが来ないことがある。

光学性能は意外と言っては失礼だがなかなか良い。最新のレンズに比べると色収差が気になる場面もあるが、総じて良く写るレンズだと思う。α7RIIの4000万画素画像をピクセル等倍で見ても問題ない。

f:id:fortia:20180208012400j:plainα7RII + LA-EA4 + SAL75300  ISO320  200mm F5.6  1/125

 ↓これは上の写真の中央部分を切り出したピクセル等倍画像。

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微ぶれしているかもしれない。しかし細部までしっかり写っていることは分かってもらえると思う。

f:id:fortia:20180208022641j:plainα7RII + LA-EA4 + SAL75300  ISO800  300mm F5.6  1/400

望遠端でも同じようにちゃんと写る。↓の画像は中央部分の等倍切り出し。フォーカス微調整し忘れたためAFが微妙にずれて花ではなく茎に合ってしまった。

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もちろん最新の高価格帯レンズのようにコントラストの高いパキパキ画像が得られるわけではないが、常にピクセル等倍鑑賞するような特殊な趣味を持ち合わせていない限り、このレンズの描写性能で不満に思うことはないだろう。

ズームによって被写体をどこまで引き寄せられるか示すため、同じ場所から75mm、120mm、300mmで撮影した写真を載せる。

f:id:fortia:20180220012546j:plainα7RII + LA-EA4 + SAL75300  ISO100  75mm F4.5  1/800

f:id:fortia:20180220012646j:plainα7RII + LA-EA4 + SAL75300  ISO100  120mm F5.6  1/500

f:id:fortia:20180220012733j:plainα7RII + LA-EA4 + SAL75300  ISO100  300mm F5.6  1/320

こういうはるか遠くの被写体を大写しにしたい場合、300mmでも全然足りないところだが、75mmでの撮影結果と比べればやはりかなり被写体を拡大できる。

α7RIIのように画素数の多いカメラを使えばトリミングによりさらに拡大できる。↓これは上の写真のピクセル等倍切り出し画像。

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高価な望遠レンズを使えば、もっとシャキッとした切り出し画像を得られるだろう。ただ、これだけ遠距離の被写体になると大気の揺らぎの影響もあって高性能のレンズであっても良い像が得られないことも多い。

そう考えると高価な望遠レンズを購入する前に、まずはこういう比較的安価なレンズを使って、遠くを撮ることの難しさを把握してみるのも良いだろう。

f:id:fortia:20180220021714j:plainα7RII + LA-EA4 + SAL75300  ISO125  280mm F5.6  1/125

ETSUMI インナーレンズキャップ 55mm用 ブラック E-6696

ETSUMI インナーレンズキャップ 55mm用 ブラック E-6696

 

月食2018

曇りの予報だったものの空を覗いみてたらそこそこ晴れていたので撮ってみた。これは23時10分頃。皆既食の終わり。

f:id:fortia:20180131235411j:plainα7RII + APO150-500mmF5-6.3DG OS HSM   ISO1600  500mm  F8.0  1/5秒  トリミング

この時はわずかに雲が掛かっていた。月の白い光がフレアのようにぼんやり雲を照らし出している。

これは21時45分頃の写真。皆既食が始まる頃。

f:id:fortia:20180201001339j:plainα7RII + APO150-500mmF5-6.3DG OS HSM   ISO800  500mm  F7.1  1/3秒  トリミング

私が所有している機材で一番良好だと思われる組み合わせで撮影した。本当は超望遠の明るい単焦点レンズでもあれば良いのだが、まあ仕方ない。細かいことを言わなければズームレンズでも結構撮れる。

これは21時50分頃。

f:id:fortia:20180201002150j:plainα7RII + APO150-500mmF5-6.3DG OS HSM   ISO800  500mm  F7.1  0.6秒  トリミング

天体撮影をするといつも、もう少し明るいレンズだったらなあ、もう少しシャッキリ写ればなあ、もう少し焦点距離長くないとなあ、とか、赤道儀買おうかなあ、など金のかかりそうな欲求ばかりが頭をもたげてくるので恐ろしい。たぶん踏み込まない方が良い世界だと思う。

XF14mmF2.8 R FUJINON

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35mm判換算21mm相当画角の広角レンズ。ビオゴンやスーパーアンギュロンで有名な焦点距離。このレンズもそうだがシグマのDP0も含め、個人的には名レンズばかりの印象が強い。

ビオゴンなどのレンジファインダー用のレンズは全長が短く小さいが、このレンズはそこそこの大きさ。と言ってもDP0よりは短いし、取り回しは良い。

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X-M1サイズのカメラに付けると比較的小さく収まるので気軽に持ち出せる。カバンへの収まり具合も良い。

f:id:fortia:20171021001415j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F2.8 1/125

35mm換算21mmというと相当広角な印象があるが、カメラを構える角度に気をつければ意外と「広角感」は出ない。歪曲がきれいに補正されているからかもしれない。 

DP0同様このレンズもまたゼロディストーションである。おそらく。というのもフジフイルムはシグマのようにホームページにデータを載せて性能を謳ってくれないので実際のところ歪曲ゼロなのかどうか断言できない。自分で使っている印象ではDP0と同じく歪曲は感じない。

以前、XF14mmとDP0で同じタイル張りの壁を撮り比べてみた結果があるので参考までに貼っておく。

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DP0の撮影時はカメラと壁面が平行から少しずれてしまったかもしれない。こういう比較を行う時に両者完全に同じ条件で撮影するのは本当に難しい……。まあいずれにしろどちらも歪曲ゼロと言って良いほど歪曲は補正されている。

f:id:fortia:20180120235946j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F2.8 1/150

意外と「広角感」が出ないと書いたが、被写体の選び方やカメラを向ける角度によってはもちろん広角レンズらしい広がりを表現することも可能。

f:id:fortia:20180120234544j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F8 1/420

 

f:id:fortia:20180121002927j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO200 F3.2 1/160

このレンズはこういう路地裏での撮影で力を発揮する。洒落た店を見つけて写真に収めたいと思っても、後ろに下がれない場面の多い狭い路地では28mm程度の広角では画角が足りない。21mmの画角があれば多くの場面で思った通りに収められる。

f:id:fortia:20171021005418j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO1000 F2.8 1/125

それに歪曲がないから建物の直線をそのまま写し取ることができて、それがまた心地よい。

f:id:fortia:20171021010316j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F2.8 1/125

自然物を被写体にする場合は歪曲収差の有無はあまり関係ない、というかむしろ補正されていない方が好ましいかもしれないが、あらゆるものが直線で構成されている市街を被写体に選ぶなら歪曲が補正されていることは大変重要だと思う。

もちろん歪曲のあるレンズで撮影した写真でも、パソコンに取り込んで修正すれば直線を出すことは可能だが、やはり現場でカメラを構えた時の気分が違う。建物に正対してファインダーなりライブビュー画面を覗いた時に直線が歪んでいるとどうにも気分が萎えてしまうのである。水平も出しづらいし。

まあ趣味人のどうでもいいこだわりと言ってしまえばそれまでだ。 

f:id:fortia:20180120232634j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F16 1/350

歪曲以外の性能ももちろん優秀で、広角レンズだから逆光が苦手なんてこともない。太陽が入っても問題なく撮影できる。光源の位置と強さによってはゴーストが生じるものの、フレアでコントラストが低下するような事態にはならない。

f:id:fortia:20180121113736j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F14 1/550

f:id:fortia:20180121114308j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F14 1/550

広角レンズだと背景をぼかして撮影することはあまり考えないかもしれないが、被写体に接近すればぼかすこともできるしボケかたもきれい。

f:id:fortia:20180121115733j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO400 F2.8 1/300

f:id:fortia:20180121120108j:plainX-M1 + XF14mmF2.8R  ISO640 F2.8 1/15

開放F2.8とそこそこ明るいレンズなので、最近のデジカメの高感度性能向上と相まって薄暗い状況でも十分撮影できる。

その画角の広さから幅広い状況に対応できるし、前述したように街の撮影に向いている画角なので、荷物を減らしたい観光旅行でこれ一本付けっ放しというのもお勧めできる。ひたすら軽くコンパクトに、ということならXF27mmだが、150gほど重くなっても構わないならこちらの方が守備範囲は広い。

FUJIFILM 単焦点超広角レンズ XF14mmF2.8 R

FUJIFILM 単焦点超広角レンズ XF14mmF2.8 R

 

CONTAX TVS

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京セラによる大文字CONTAXブランドのフィルムカメラ。少し黄色味を帯びたチタン外装のボディに高級感が漂う。レンズはCarl ZeissブランドVario Sonnar 28-56mm F3.5-6.5の2倍ズーム。ISO50フィルムの使用を考えると望遠側の明るさが物足りないが、薄暗い場所での撮影を諦めれば問題ない。

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電源の入れ方は変わっていてズームレバーを動かすことによりオンになる。

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これが電源入った状態。ズーム位置は28mm。

グリップのある方が狭くなっているので一見持ちづらそうだが実際に使ってみると特に問題ない。

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ケースを装着しないとストラップが使えない。

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このケース、柔らかい革で作られていてなかなか良い。さすが高級カメラというところ。

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10年近く冷蔵保管されていたVelvia50。使用期限はとうに切れている。Velvia100Fに比べると落ち着いた色合いで、かつ濃厚さはあったので好んで使用していた。現像代を負担に感じてフィルムカメラの使用をやめて以来、買い置きしてあったフィルムをずっと冷蔵庫、もしくは冷凍庫に保管していた。

今はフィルムの銘柄も少なくなり値段も随分上がってしまったが、まだ現像できる環境が残されているだけありがたいと思うべきなのだろう。

撮影した写真を掲載するにあたり本当はフィルムスキャナで取り込みたいのだが、ホルダーが行方不明になってしまい使用できない状況なので、とりあえずライトボックス的な装置の上にフィルムを置いてα7RIIで撮影したものを掲載する。

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せっかくフィルムなのでパーフォレーション付きで。この写真は28mmで撮影。絞りは忘れた。

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これは望遠端で絞りは開放付近だと思う。背景があまりボケていないので自信がないのだが、開放といってもF6.5なのでまあこんなものだろう。上下が滲んでいるのはRAW現像時に暗部を無理やり持ち上げたため。

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これは望遠端56mmの絞り開放。可動液晶なんてないので猫目線で撮影することができない。そのためどうしても上から見下ろした写真になってしまう。もちろん地面に這いつくばって撮れば猫目線写真もいけるだろう。

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ぶれてしまった。さすがに薄暗い所で望遠端、さらにしゃがみこんでの撮影では厳しい。

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それでもがんばればなんとか。なってないか。

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猫を撮るのに適したカメラではないが、見つけるとつい撮りたくなってしまう。

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これは望遠側だったか中間域だったか。このあたりの画角だと歪曲はほぼないように見える。

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影がおもしろいなと思って撮ってみたがあまりおもしろくなかった。

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広角端28mm。28mmでも歪曲はなさそうだ。

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露出補正しないで撮ったら失敗してしまった。最近のデジカメだと黒くつぶれてしまってもRAWで撮影していれば救済できてしまうので、この辺の感覚がかなりいい加減になってしまっていた。

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素直にスキャナのホルダー探した方が良かったなと思うくらい、どれも色がおかしくなってしまっているが、これはデジタル化の仕方に原因があるのであって、元のフィルムではちゃんときれいな色が出ている。

失敗した写真も含めて25枚すべて掲載しようと思っていたが、きれいにデジタル化できなかったこともありだんだん面倒臭くなってきたのでここで終わりにする。ホルダーが見つかったらしっかりスキャンしてまたアップしたいと思う。

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 フィルムカメラということもあり、今となってはどちらかと言うとコレクション的な意味合いで所有されるカメラだと思うが、写りも良く使い勝手も悪くないので、日常的に使用するのもありだと思う。フィルム代さえ気にならなければ。 

XF27mm F2.8 FUJINON

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いわゆるパンケーキレンズ。小さくて軽い。

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14mmF2.8や35mmF1.4のような重厚感はないがそれらより扱いやすい。ただ私がフジのカメラを持ち出すときは14mmや35mmが多い。せっかくフジを使うならやはり名高いレンズ群で、と思ってしまうので。

とはいえ、このレンズに何か劣っている点があるかと言えばそんなことはなく写りは名高いレンズ群と遜色ない。

f:id:fortia:20171015164210j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO200 F2.8 1/125

歓楽街の裏路地で、空き瓶を凝視する猫を撮影。絞り開放からパキパキに写る。

↓顔の部分をピクセル等倍切り出し。

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開放でこれなので使用する際に絞り値を気にする必要はなさそう。開放でも被写界深度深めなので2.8固定で撮影していても失敗は少ないだろう。

f:id:fortia:20171015173207j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO200 F3.2 1/500

深度が深いといってもボケないわけではなく、街角スナップ的な撮影距離においては十分にメインと背景を分離させることができる。むしろボケすぎないので色々気遣うことなく簡単に自然な写真が撮れる。F値が小さいレンズで絞りを開くと背景が全部溶けてしまってどこで何を撮ったのか分からない写真になってしまうこともあるが、このレンズでその心配はない。

f:id:fortia:20171015171115j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO400 F2.8 1/340

被写体に近づけばそこそこ大きくボカすこともできる。

画角は35ミリ判換算で41mm相当となる。使用した感覚としては標準レンズを付けている感じ。広いという感覚はない。28mmのような何でも撮れるという感覚はないが、広角レンズでありがちな漫然とした写真になることは少なく、街角の風景を印象的に切り取るのに適した画角だと思う。

f:id:fortia:20171015172753j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO400 F3.2 1/600

ボケ方も自然で違和感がない。あまり考えずに気の向くままに撮影できる。

歪曲と周辺減光は内蔵のレンズプロファイルにより自動で補正される。

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↓補正を適用させない場合。上と同じ写真だが、現像ソフトが違うので色味明るさに違いが出てしまった。

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歪曲は自動補正なしでもそれほど大きくない。周辺減光は補正なしだと大きいが、これが効いて雰囲気ある写真になったりするので個人的にはこれくらいあってもいいと思う。 f:id:fortia:20171015193844j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO400 F6.4 1/420

f:id:fortia:20171015194019j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO200 F5.6 1/180

f:id:fortia:20171015195151j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO200 F4.5 1/125

f:id:fortia:20171015195300j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO400 F2.8 1/450

f:id:fortia:20171015195520j:plainX-M1 + XF27mmF2.8  ISO400 F2.8 1/200 

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X-M1との組み合わせで街角スナップした感じではオートフォーカスが遅いとは感じなかった。結構キビキビ撮影できたと思う。とはいえこれが動体の撮影に使用できるかというと……試したことがないので分からないが、フォーカス時の決して滑らかとは言えないレンズの動き方を見ていると難しそうではある。ちなみにフォーカス時の音は室内だと結構聞こえるが外だと特に気にならない。

小さく軽く、ボケも使えて、写りも良い。贅沢を言わなければ実にバランスの取れたレンズと言える。

FUJIFILMプリント&ギフト/フジフイルムモール

α7II 7RII 7SII α9 4機種画質比較

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 これら4機種に画質の差はどのくらいあるだろうか。画素数が違うので比較しようのない側面もあるかと思うが、高感度ノイズや周辺描写の差など比べられる所もあると思う。またα9と7IIは同画素数なのでこの2機種に関してはより比較しやすいだろう。

結果を先に書いてしまうと、高感度と周辺減光の二点で7IIとそれ以外の機種で差が見られた。高感度領域では特にISO25600の比較で明らかに7IIのみノイズが多かった。周辺減光はフィルムカメラ用の超広角レンズ(UWH12mm)を使用した際に見られる限定された現象だが7IIのみ低下量が僅かながら大きい。

個人的にはそれ以外では大差ないという印象(もちろん画素数の差はあるがそれを除くと)。

ではまず低感度、日中の撮影結果について。レンズはコシナフォクトレンダーの12mm二型。

f:id:fortia:20170618134450j:plainα7II + UltraWideHeliar 12mmF5.6  F5.6  1/250  ISO100

f:id:fortia:20170618134748j:plainα7SII + UltraWideHeliar 12mmF5.6  F5.6  1/250  ISO100

f:id:fortia:20170618134823j:plainα7RII + UltraWideHeliar 12mmF5.6  F5.6  1/250  ISO100

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α9 + UltraWideHeliar 12mmF5.6  F5.6  1/250  ISO100

個別に見ても分かりにくいと思うので、gifアニメーションにしてみた。

f:id:fortia:20170620204410g:plain

左上の部分を見ると、7IIだけ僅かに落ち込みが大きいように見える。と言ってもこうやって並べてみて初めて分かる程度で、単独で見ればまったく気にならないし、そもそもデジタル専用のレンズを使えばこの現象に遭うこともないから一般的には何の問題もない。マウントアダプターでフィルム時代のレンズを使う人は気に留めておいても良いという程度の情報だろう(減光も味と考える人ならまったく気にしなくて良い)。

次に高感度領域でのノイズ量。ISO12800まではそれほど差がないように感じられるがISO25600までいくと一目瞭然となる。

f:id:fortia:20170620230117j:plainα7II + FE50mmF2.8Macro  F8.0  1/50  ISO25600f:id:fortia:20170620230611j:plainα9 + FE50mmF2.8Macro  F8.0  1/40  ISO25600

f:id:fortia:20170620230436j:plainα7SII + FE50mmF2.8Macro  F8.0  1/60  ISO25600

f:id:fortia:20170620230519j:plainα7RII + FE50mmF2.8Macro  F8.0  1/50  ISO25600

一目瞭然と書いたが、このサイズだと分からないかもしれないのでピクセル等倍に切り出した画像も掲載する。上から7II、9、7SII、7RII。

f:id:fortia:20170620231853j:plainα7II  ISO25600

f:id:fortia:20170620232051j:plainα9  ISO25600

f:id:fortia:20170620232147j:plainα7SII  ISO25600

f:id:fortia:20170620232241j:plainα7RII  ISO25600

7IIと9は画素数が同じなので比較しやすいと思うが、見ての通り7IIは明らかにノイズが多い。しかしこの大きな差は超高感度領域に限った話で、例えばISO6400だと…

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上が7IIで下が9。もちろん下の写真、α9の方が低ノイズではあるものの ISO25600の写真ほど大きな違いはないことが分かると思う。

これからフルサイズαを買おうとしていてどれにしようか迷っている場合、ISO10000超えの高感度領域を多用するなら7RII、7SII、9を選ぶべきだが、6400程度までで十分という撮影スタイルの人にとっては7IIでも十二分な画質が得られると思う。

もちろんこれはあくまで画質に限った話で、サイレントシャッターや高速AF、高速連写といった機能が必要なら7II以外を選ばないといけない。

 

α9 α7RII α7SII 高感度ノイズ比較

α9 α7RII α7SIIの高感度ノイズ比較の続き。レンズはFE50mmF2.8Macro、露出は三機種ともに統一して撮影。圧縮RAWファイルをLightroomにて現像。現像の際「ノイズ軽減」は輝度、カラーともにゼロにした。

(下記画像はクリックするだけだと縮小表示されたままだと思いますので保存もしくは画像のみを開いて原寸画像をご覧ください)

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この比較画像は↓の写真の一部を切り出したもの。

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これら三機種はそれぞれ画素数が違うので単純に同じ領域を切り出しただけだと、サイズが異なってしまい比較しずらい。そこでα9とα7RIIの画像に関してはPhotoshopにて7SIIと同等まで解像度を下げて(バイキュービック法(滑らか))比較しやすくした。

結果としては、7SIIのノイズがやや少な目で7RIIがやや多めかな、という印象。とは言えそう大差ない。まあノイズ以前に色味が一致していないことの方が気になる。カメラの設定を同じにしてもなかなかうまくいかないものですね。

さらに上の高感度領域ではもっと大きな差が出てくるのかもしれないし、この領域でも撮影条件によっては顕著な違いが見られるかもしれない。また別の条件で比較してみたい。

しかし三機種ともISO6400ぐらいでは低感度で撮った写真と間違えてしまいそうなほどクリアですね。