今回紹介するのは戦前カールツァイスイエナのコンタックス用標準レンズ。
当時の交換レンズ群ではもっとも安価だったようで、価格はF1.5ゾナーの1/4とのこと。今で言うキットレンズのような扱いだったのかもしれないが、細工は結構凝っていて工芸品としての佇まいは十分。ブラックコンタックスにはこのレンズが一番似合うと思う。
この個体はシリアルナンバーから1931年の製造と思われる。
沈胴式なので撮影しない時は収納しておける。
小さいレンズだから性能に期待できないかと思いきや、よく写るし、なかなかおもしろい描写を見せてくれる。
α7SII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/320
レンズの状態は年代の割には良い方で気になる曇りもないのだが、おそらくコーティングがないせいだろう、強い光源があると必ずといっていいほどフレアが出る。
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/320
空の光が回り込み優しい雰囲気になる。
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO125 F3.5 1/250 RAW現像時+0.8
このフレアを利用すれば、
α7SII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/400
いい感じになると思ったが、少し背景のボケが乱れているだろうか。
きれいにボケる場合もあるが、こういうぶれたボケが見られることも結構あった。
まあこの手のクラシックレンズを使う時に気にするようなことではない。
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO160 F3.5 1/250
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO160 F3.5 1/250
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO400 F3.5 1/250
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO1600 F3.5 1/250
α7SII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/40
α7SII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/500
α7SII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F5.6 1/400
どんな状況でも光の回り込んだ柔らかい写真になるわけではなく、順光の場面ならば今時のレンズのようなキレのある写りを見せてくれることもある。
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/1000
中央のカモメを拡大。このようにピクセル等倍の切り出しにも十分耐えうる。
α7RII + CarlZeissJena Tessar5cmF3.5 ISO100 F3.5 1/4000 現像時コントラスト+100
逆光だとドラマチックな写り。
今回はすべてデジカメに付けての撮影となったが、センサーからの反射がないフィルムだとまた写りが変わるはずなので、いずれコンタックスに付けて撮影してみたい。