微妙な片ボケ - 個体差

FE35mmF2.8ZAの紹介ページで少し触れたがレンズにも個体差がある。一枚一枚のレンズにも製造誤差はあるだろうし、鏡筒の寸法にも微小な誤差はあるだろう。そういう細かい誤差の積み重ねにより製品の個体差が生じる。

個体差は様々な性能に影響していると思われるが、私が気付くのは片ボケ。高台から街を一望した写真なんかを撮るとよく分かる。右も左も真ん中も無限遠に近い一様な距離にある被写体だからピント面から外れた部分が分かりやすいのである。

私が二本所有しているFE35mmF2.8ZAのうち片ボケが見られる一本の例をお見せしたい。紹介ページの方では、この片ボケレンズを間違って良個体の例として載せていました)

f:id:fortia:20190519002636j:plainα7RII + FE35mmF2.8ZA     ISO100    F2.8   1/2000

このサイズで見るとまったく問題ない。しかし、

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赤四角の部分を切り出して見ると(クリックして拡大してご覧ください)

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それでもほとんど分からないかもしれないが、左側の方が僅かに甘くなっている。なお、これは画面中央にピンポイントでオートフォーカスした場合の例である。

フォーカス位置を左側にして撮影すると、次のようになる。

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左側はシャキッとしたものの今度は中央と右側がボケる。

そして次はフォーカス位置を右側にして撮影する。

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右側は解像感を取り戻したが、左側は縮小画像でも分かるくらいにボケてしまう。

本来光軸に垂直であるべきピント面が微妙に傾いているわけである。

これはα7RIIで撮影した写真をピクセル等倍で見ているから分かることであって、7Sで撮影した場合には等倍鑑賞しても気付かない程度である。このくらいの片ボケだとメーカーには間違いなく仕様の範囲内と言われる。新品で購入した直後にテスト結果と一緒にメーカー送りにすれば「範囲内だけどご指摘の症状は確認したので」と対応してくれるかもしれない。

私は過去に何回かこういう微妙な片ボケの修理依頼をしたことがあるが、対応してくれたのはいずれも新品購入直後の場合だった。それも詳細なレポートを添えてのことで、おそらく検証データなしでは「仕様の範囲内」以上の回答は引き出せないだろう。

ちなみにメーカーに修理してもらえば指摘箇所に関してはきっちり治してくれるので、販売店に言って別の新品に交換してもらうより良いと私は思っている。

 

この程度の片ボケは大体どのメーカーのレンズでも見られる。高級レンズでは少ないかというとそういうわけでもない。安いレンズでも高いレンズでも同じような割合で見られるというのが私の印象。ただ、高級レンズはF値が小さく被写界深度の浅いレンズが多いので片ボケを見つけやすいというのは考慮すべきだろう。

今回挙げたレンズは中古で購入したものなので修理依頼はしていない。中古品はお得なこともあるが、こういうこともあるのでやはり新品購入の方が色々無難である。