fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

伊香保をα7SIIとSEL35F14Zで撮影

伊香保の夜景

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO400, F1.4, 1/15 トリミングあり

先月伊香保に行った時の写真。人通りは少なくコロナの影響を感じたが、廃墟も多く、もしかしたらそれ以前から活気を失っていたのかもしれない。

伊香保石段街

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.4, 1/2000

携行した機材はα7SIIとFE35mmF1.4ZAおよびコシナの10mm。ほとんどFE35mmで撮影した。

伊香保の湯

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.7, 1/100

夕方に着いて翌朝には帰ったので、昼間の写真が少ない。

伊香保の廃ビル

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO5000, F1.4, 1/30

伊香保ホテル松屋

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO800, F1.4, 1/15

名の通った観光地で現在もまだ賑わっていると思っていたから廃屋の多さに驚いた。

伊香保の廃屋

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO1000, F1.4, 1/30

 しかし風化した建物の存在によって風景としての魅力は増しているようにも見える。

伊香保石段街の夜

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO400, F1.4, 1/15

伊香保

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO640, F1.4, 1/30

伊香保の夜

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO4000, F1.4, 1/15

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO3200, F1.4, 1/30

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO6400, F1.4, 1/30 トリミングあり

35mmは野良猫を撮るには短い。トリミングが必須になるが、このレンズはF1.4でボケ量を稼げるから切り抜きしてもボケの生きた写真になる。そういう意味で非常に汎用性の高いレンズ。ただ前面レンズが大きいので猫の警戒心は高まる。ような気がする。

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO2000, F1.4, 1/30 トリミングあり

伊香保の夜

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO2500, F1.4, 1/30

伊香保神社

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO3200, F1.4, 1/30

石段街のてっぺんにある伊香保神社から30分ほどの軽い山登りをすると街を見下ろす展望台にたどり着く。ロープウェーもあるが朝晩は動いていない。

上ノ山公園展望台から見える夜景

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.7, 4秒

三脚は持って行かなかったので展望台の手すりにカメラを押し付けながら撮った。意外とぶれない。

上之山展望台からの夜景

α7SII + HeliarHyperWide 10mmF5.6, ISO200, 多分F5.6, 10秒

月夜でなければもっと星が写っただろうか。

展望台には他に誰もいなかった。

上之山展望台への道中

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO2000, F1.4, 1/30

展望台への道は整備されているので途中これといった障壁はない。しかし私が行った時は道中の半分くらい電灯が切れていたので夜は明かりが必要だった。幸いスマートフォンのフラッシュライトで足元を十分に照らすことができた。

展望台は朝行けば日の出が拝める。

上之山展望台からの朝日

α7SII + HeliarHyperWide10mmF5.6, ISO125, 絞り不明, 1/30

山の上展望台からの朝日

α7SII + HeliarHyperWide10mmF5.6, ISO100, 絞り不明, 1/40

温泉のない宿に泊まり食事は持ち込んだカロリーメイトで済ませたため一般的な伊香保の魅力は堪能していない。それでも十分に魅力的な街だと思った。

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.4, 1/200,  トリミングあり

Takumar 200mm F3.5

Takumar 1:3.5/200

Takumar 1:3.5/200

タクマーの巨大望遠レンズを入手したので持ち出してみた。撮影に使用したカメラはα7SIIとα7RIIとK-1

みなとみらい夜景

α7SII + Takumar 200mm F3.5, ISO640, F3.5, 1/30

このくらいの焦点距離になるとボケが大きいから幻想的な絵になりやすくて、ファインダーを覗いてピントリングを回しているだけでも楽しい。

みなとみらい駅

α7SII + Takumar 200mm F3.5, ISO125, F3.5, 1/30

みなとみらいイルミネーション

α7SII + Takumar 200mm F3.5, ISO125, F3.5, 1/30

非常に大きいレンズなので街中で構えるのはやや心苦しい。

Takumar 200mmF3.5をPENTAX K-1に装着

Takumar200mmF3.5とPENTAX K-1

Takumar200mmF3.5にフードを付ける

フードを付けると更に巨大に

しかしこのレンズ、60年以上昔のレンズとは思えないほど開放からキレのよい描写。

ランドマークタワー みなとみらい

α7RII + Takumar 200mmF3.5, ISO100, F3.5, 1/2000

上の写真のピクセル等倍切り出し比較

中心部は開放から高い解像力。周辺も少し絞るだけでシャキッとする。

 

周辺光量の低下は大きいが絞れば改善する。

絞り値による周辺減光の変化

絞り値による周辺減光の変化

Takumar200mmF3.5の絞り形状

自動絞りでない時代のレンズは羽根の枚数が多い

絞りは羽根の枚数が多いので最大まで絞っても円形を保つ。

Takumar200mmF3.5の玉ボケ

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO200, F3.5, 1/640

横浜公園噴水

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO400, F4, 1/200

望遠レンズはどこにボケを作るか考える余地があるのが良い。焦点距離の短いレンズを付けている時とは風景の見方が変わる。

紅葉とススキ

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO12800, F22, 1/200

山下公園銀杏並木

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO200, F3.5, 1/320

猫

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO200, F5.6, 1/400



Carl Zeiss Sonnar 50mmF1.5 の分解

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戦後カールツァイスのイチゴゾナー。中古市場でそこそこ見かけるレンズだが、きれいなものは少なくカビやクモリを持つものが多い。状態の悪いレンズを安く買って分解清掃して使おうとする方もおられると思うので分解記録を載せておく。なお、このレンズは貼り合わせが多いため、単純な清掃ではクモリやカビが除去できないこともある。

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まず銘板を外す。固着している個体では銘板と一緒にレンズの前枠が回ってしまうこともある。その時は↓このように前枠ごと外してしまって良い。

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レンズサッカーを使って引っ張り出す。簡単に出てこないこともあるがそんな時でも慌てない。手で握っていると体温で鏡筒が膨張してすっと外れることもある。どうしても外れない時は後玉を外して後ろから押し出す。

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次のレンズも同じようにして引っ張り出す。

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左が一番前のレンズ、右が真ん中のレンズ群

二つのレンズ群を外すと絞りに到達。

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今度は後玉を外す。

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外側のリングを外すと銀の筒が取り外せる。この時、位置を決めるためのネジのような部品が落ちる可能性があるので下に広めの受け皿を用意して慎重に取り外す。内側のリングは外す必要のない(外れない)タイプもあったと思うが、この個体に関しては外したような気がする。分解してから時間が経つので記憶が曖昧だ。同じ50mmF1.5でも違う部品が使われていることがあった。おそらく製造年代により少しずつ違うのだろう。

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これはさっきまでのとは違う個体の写真かも

↑外側の筒を外すとこんな状態になる。写真真ん中あたりに見えるリングは無限遠の位置を決める部品なので回さない。

後ろのレンズ群もねじ込み式ではないので引っ張り出す。

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切り欠きが付いているからねじ込みだと思ってしまうが、回転させずにそのまま引っ張り出す。

レンズは全部で3群。

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このレンズの難しいところは貼り合わせだ。

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真ん中のレンズ群

レンズ構成図を見ると、3枚のレンズが貼り合わされてこの一群を形成していることがわかる。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9e/Sonnar.pngWikipediaより

オールドレンズではこの貼り合わせ面によく問題が生じる。バルサム切れによるクモリなど。このレンズはカビが生えていた。

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まるで雪景色のよう

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反対方向から見るとちょっと気持ち悪い

このカビは貼り合わせ面に生えてしまっているので除去できない。

溶剤につけてレンズを剥がしてしまうことも可能ではあるが、再び貼り合わせる際に光軸を合わせる術が私にはない。以前、バル切れしたタクマーレンズで一度剥がして再接着してみたことがある。見た目はクモリが消えてきれいになったが写りはそれほど改善しなかった。多分光軸がずれてしまったのだと思う。

ゾナーは貼り合わせが多いから分解してもきれいにできない可能性は結構高いと思う。

ユ-エヌ レンズサッカー

ユ-エヌ レンズサッカー

  • メディア: Camera
 

故障した1NIKKOR32mmF1.2を修理に出した記録

以前紹介したこのレンズ、記事をアップロードした数日後に故障していることに気付いた。ライブビュー画像が常にノイズまみれで、絞りを開放に設定しているのに被写界深度がパンフォーカスのように深くなっていた。

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レンズを前から覗いてみると絞り羽根が上の写真のような状態で固定されてしまっていて、絞り値を変えても撮影モードを変えても何をしても微動だにしなかった。絞り制御機構が故障してしまったようだ。開放で固定されるならまだしも最大絞りで固定されてしまうと使いようがない。

電子制御の現代レンズは分解してどうにかなるものでもないので、おとなしくニコンに修理を依頼した。

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ニコンプラザ銀座 10月に閉鎖されたらしいので今はもうないはず

数年前に訪れた時は年配のいかにもカメラに詳しそうな方々がサービスセンターにいらっしゃったが、今回はスタッフが全体的に若返っていた。

最初に提示された見積額は5万円台と、中古での買い直しが視野に入ってくる金額だったのでお断りしようかと思ったが、工場に送って実際の修理担当者が見れば変わるかもしれないとのことで預けることにした。なお、この「修理担当者に見積りを出してもらう」ためには見積費として千円かかる。

この手続きを踏まないと「〇〇円以上かかるなら修理しないで欲しい」という要望は通せないそうなので要注意。

預けた二日後くらいに電話が掛かって来て「2万円で済みます」とのことだったので修理をお願いした。そしてそこから一週間経たずに修理完了して戻ってきた。仕事が早い。

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修理内容は絞りユニットの交換で、かかった費用の内訳は部品代3,000円、工賃14,700円、修理見積費1,000円と消費税の合計でほぼ2万円だった。お安く修理してもらえて良かった。

Biogon T*2/35 ZM をLeitz minolta CLで

f:id:fortia:20201123193910j:plainコシナ製のMマウント(ZM)レンズ、ビオゴン35mmF2をライツミノルタCLに装着。ライツとミノルタカールツァイスが同居する不思議な組み合わせ。

随分前に入手したものの、使う予定もなく防湿庫に鎮座するだけの存在だったこのレンズ。前回21mmF4.5ビオゴンをフィルムカメラで使ったところ意外と楽しめたので、このレンズもフィルムカメラで使ってみることにした。

f:id:fortia:20201123200026j:plain 銀と黒の組み合わせも悪くない。

ところで、使う予定もないレンズをなぜ入手したのか気になる人がいるかもしれない。その理由は次の図を見てもらえば分かるだろう。

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ZEISS社ウェブサイト掲載のデータシートより

ゼロディストーションと言っていいのではないだろうか。歪曲が少ないと言われるビオゴンタイプの中でもこのレンズは特別だ。ZMシリーズにはオリジナルビオゴンに似せたレンズ構成の35mmF2.8もあるが、そちらはデーターシート上の歪曲収差がこのレンズより大きい。

そういう意味でこのレンズはオリジナルよりもビオゴンらしいビオゴンと言えるのではないかと私は思っている。

機材マニア的な動機としてはこれだけで十分である。実際にどう写るかとか、歪曲ゼロが実用上どれだけの意味を持つのかといった些事に囚われることはない。

同じ理由でホロゴン16mmも防湿庫に眠っている。

 

それではまずいつもの写真を。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2

中央部を拡大。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2 中央部拡大

ちょっとゆるい気がする。シャッターが1/1000までしかないので露出はオーバー気味になってしまっているのだが、このゆるさはそれ以前の問題のように見える。

このレンズをα7RIIに付けて同じ時間帯に同じ場所から撮影した写真と比べてみる。

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α7RII + Biogon35mmF2ZM,  ISO100,  1/2000,  F2

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α7RII + Biogon35mmF2ZM,  ISO100,  1/2000,  F2 中央部拡大

しっかり解像しているからレンズの性能に問題があるわけではなさそうだ。

レンズの無限遠が出ていないのかと思い、リコーのGXR A12に装着して確認してみたが、そちらも問題ない。ちゃんとレンズを回し切ったところで遠景にピントが来る。オーバーインフでもない。

一連のフィルムに写る他の写真では細部まで解像しているのでフィルムの問題でもない。

この撮影の時にたまたまピントリングを回し切れていなかったのかもしれない。それ以外はちょっと思い当たらない。いずれまた撮り直して検証してみたいと思う。

周辺描写

このレンズはフィルムカメラで使う場合は絞り開放でも周辺部の描写は安定している。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2   写真左上部分拡大

デジタルカメラで使うと流れてしまう。

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α7RII + Biogon35mmF2ZM,  ISO100,  1/2000,  F2    写真左上部分拡大

 

作例

撮影ごとに記録した絞りとシャッタースピードのメモがあるので、記載した値は概ね正しいはず。

サルビア

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.8

Distortion biogon35mmF2ZM

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/500,  F2.0

歪曲なし。撮影時に僅かに傾いてしまったが、手持ち撮影ではこの辺が限界だろう。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

絞り開放では少しハロをまとうような柔らかい描写。開放からパキパキというレンズではない。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

レンジファインダーは撮影時にボケ量が確認できないのが難しい。この写真はいい具合にボケてくれてマリンタワーの輪郭もなんとか残った。

左右のパーフォレーションが残っているのもいいなと思い、この写真では切り抜かずにそのままにした。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

35mmなのでボケ量は多くないが、柔らかく形が残りながらボケていく感じが良い。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

神奈川県庁近くのCJ CAFE。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

f:id:fortia:20201206003554j:plain

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

地面スレスレからファインダーを見ずに撮影。奥にも猫じゃらしがあってそれが光に透けてきれいな背景になるんじゃないかと思って撮影したが、強烈な太陽光で消えてしまった。仮に写っていたとしても想像していた構図と違うので残念でもない。運任せの写真は見るまでの期待があって楽しい。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/250,  F8.0

逆光は苦にしない。

f:id:fortia:20201206003830j:plain

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

f:id:fortia:20201206004259j:plain

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

この写真は虹が出てしまった。しかし総じて逆光に強くフレアーで画面全体のコントラストが低下してしまうような写真はなかった。すべての場面でレンズフードは付けていない。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6

玉ボケを作りたかったのだが、シャッタースピードの上限1/1000に阻まれ絞りを開けられなかった。NDフィルターを持っていくべきだった。でも正直なところ撮影中のフィルター着脱は面倒なのでHexarRFの入手が望まれる。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6 中央右拡大

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6

夕焼けと富士山

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/125,  F2.8

良いレンズであった。しかしこうして撮影した写真を並べてみると歪曲ゼロが生きている写真がタイルを写した写真以外に一枚もないので、私の場合はやはりこのスペックは宝の持ち腐れになってしまうようである。

f:id:fortia:20201206145141j:plainライツミノルタCLはとても良いカメラ。機能的な面でHexarが欲しいところだが、このデザインは捨てがたい。外装の仕上げも美しい。他のMマウントカメラに比べるとなぜか人気がないので割安に入手できる。

 

10年間室温放置したポジフィルムの現像結果

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部屋の整理中に出てきたフィルムを現像に出してみたらこのようになっていた。収められている景色を眺めてもいつ撮ったものだか皆目見当がつかない。

家並みに注意してみたところ、11年前に建った家は写っているが10年前に建った家が写っておらず空き地になっているので大体そのくらいと判断した。

冷蔵庫に入れておけばこんな状態にはならなかったのかもしれない。緑色にかぶってしまったのは、おそらく高温多湿の夏を幾度も越えてきたせいだろう。

f:id:fortia:20201108202809j:plain画像処理により色かぶりの影響は気休め程度に軽減できる。

使用したカメラはもちろん覚えていない。傾いている写真が多いので、レンジファインダーカメラだと思う。レンズはかなりの広角。太陽の光芒が10本なので10枚羽根のレンズだと判断できる。自分が使っていたレンズの中で該当するのはスーパーワイドヘリアー15mm。このレンズはBESSA R3Aで使っていた。当時はコンパクトな初期型を使っていた。

f:id:fortia:20201108205125j:plain江島神社江ノ島には行ったが、この神社を写真に収めた記憶がない。

f:id:fortia:20201108212634j:plain龍恋の鐘。ここも行った記憶がない。

f:id:fortia:20201108212205j:plainこれは近所の桜並木。

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普通、10年前の写真を見れば色々懐かしくなったり記憶が呼び覚まされたりすると思うのだが、記憶は戻らないし、そもそも被写体が10年前からまったく変わっていないから、最近の写真だか昔の写真だかすら分からない始末。正直なところ現像する必要なかったなと思う。しかしまあ何が写っているか分からないまま処分するのも気が引けるから、結局現像するしか道はなかったのだろう。

フィルムの長期室温放置は避けましょう。

フィルムカメラで使う Biogon 1:4.5 f=21㎜

Biogon21mmF4.5 TREBI100C

前回デジカメで使用したビオゴン21mmをContax IIaに取り付けて撮影してきた。使用したフィルムは廃番になって久しいトレビ。使用期限を10年過ぎていたものの購入以来ずっと冷凍庫に保管(放置)していたため特に劣化もせず問題なく現像できた。

デジタル化するにあたりコニカミノルタの古いフィルムスキャナdimage dual4を引っ張り出してきたが、どうもピントが来ないのでニコンのスライドコピーアダプターES-1とα7RII + FE50mmMacroを使用した。

Nikon ES-1この方が微妙なピント調整も可能な上、高解像度で取り込める。ただ、うまく撮影できなかったコマもあったので、それはdual4で取り込んだ。dual4を使用した写真にはその旨記載してある。記載ないものはα7RIIとES-1。

それでは早速撮影結果を。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaContax IIa + Biogon 21mmF4.5  TREBI100C  絞りF4.5で撮影

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
真ん中付近を拡大。細かいところまでしっかり描写されている。ビオゴンもすばらしいが、リバーサルフィルムの解像力もすばらしい。

さらに驚いたのは絞り開放から周辺描写が大変安定していること。Biogon21mmF4.5 Contax IIaContax IIa + Biogon 21mmF4.5  TREBI100C  絞りF4.5で撮影

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F4.5でもまったく崩れていない。

↓デジタルで撮影した時はF16まで絞らないと安定しなかった。

Biogon21mmF4.5 A7RII
やはりこのレンズはフィルムで使ってこそである。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5, 1/500
写真の右下部分を拡大。しっかり解像している。Biogon21mmF4.5 Contax IIa

夜景を絞り開放で。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5,  8秒

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
本当に絞る必要のないレンズだなと。

 

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5,  1/250

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF11,  1/1250
厳しい逆光条件でもゴーストが少し発生するくらいで済んでいる。α7RIIで使った時も逆光には強かったが、フィルムだと更に優秀な印象。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF8,  1/100,  Dimage Scan Dual IV
対称型レンズの特長で歪曲はない。これに関してはデジカメ使用時と同じ。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5,  1/100,  Dimage Scan Dual IV

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF8,  1/100,  Dimage Scan Dual IV
露出オーバー。今回の撮影ではスマホの露出計アプリを使ったりRX100を使って露出の確認をしたりしていたのだが、この時はそれを忘れて前の設定のまま撮影してしまった。

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F4.5,  1/250

出来上がったフィルムを取り込んでみて、このレンズの本来の性能を知った。また、リバーサルフィルム自体の魅力も再確認しフィルムカメラの良さを改めて思い知ることにもなった。ビオゴン35mmやゾナーもフィルムで使ってみたいと思う。

とは言え、フィルムカメラにはフィルムカメラなりの難しさもあった。まあこれはフィルムカメラの問題というよりレンジファインダーカメラの問題なのだが……厳密な構図の追求が難しい。

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F8,  1/250

この写真にはちょっと嘘があって、本当は下の写真のように画面を横に走る直線が右側に向かって収束する形になっている。上の写真はこの収束する直線が平行になるようにLightroomで補正した結果だ。

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被写体と撮像面の平行が完全に維持されていないと、この写真のようにパースがついてしまう。デジカメや一眼レフならば実際に写る範囲を確認できるから、こうした問題も回避できるのだがレンジファインダーカメラでは難しい。三脚を立てればもう少し追い込めるかもしれないが人通りの多い街中では憚られる。

次の三枚も補正済み。

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F8  1/500

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F8  1/100

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF8  1/100

下は補正前。Biogon21mmF4.5 Contax IIa

これだけミスを犯しても補正すれば何とかなってしまうわけで、デジタル化を前提にするならば構図にそこまで気を使わなくても良いかもしれない。もちろん補正しないで済むに越したことはないのだが、街中であんまり長時間カメラ構えていると昨今あれなので。

 

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5  1/250

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
レンジファインダーカメラは二重像合致によるピント合わせとなり、デジカメの拡大ライブビューのような精密さは期待できない。しかし撮影した結果を見ると十分な精度だった。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5  1/1250

Biogon21mmF4.5 Contax IIa

さすがコンタックスといったところだろうか。

Contax IIa + Biogon21mmF4.5

医学におけるペニシリンの発見、航空工学におけるジェットエンジンの実現と並び称されたビオゴン21mmF4.5は、その評価にたがわぬ高性能レンズだった。

※『コンタックスのすべて』より。アメリカの写真家マーティンシュナイダーの言葉だそうだ。↓この方かな。

Martin Schneider (born September 23, 1926), American filmmaker, Photographer, writer | prabook.com

 

Nikon スライドコピーアダプター ES-1

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  • 発売日: 1989/08/01
  • メディア: 付属品