fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

PDR-M70 Toshiba Allegretto

桜

PDR-M70 f=7.0-21.0mm, ISO100, F8.0, 1/190

二月の終わりに咲いていた近所の桜。

桜

PDR-M70 f=7.0-21.0mm, ISO100, F8.9, 1/190

PDR-M70
使用したカメラは東芝のPDR-M70。21年前の330万画素カメラ。東芝のサイトに当時の情報がまだ残っている。

東芝:プレスリリース (2000.2.9)

35mm換算35-105mmのキヤノン製レンズ搭載と記載されている。広角端F2.0、望遠端でもF2.5と明るい。そのうえ撮像素子も1/1.8型とコンパクトデジカメとしては大きめのサイズなので、望遠側で撮影すると結構ボケる。

桜

PDR-M70 7.0-21.0mm, 21.0mm, ISO100, F2.6, 1/90

桜

PDR-M70 7.0-21.0mm, 21.0mm, ISO100, F2.6, 1/125

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PDR-M70 7.0-21.0mm, ISO100, F8.0, 1/600

厳しい逆光にも耐える。

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PDR-M70 7.0-21.0mm, ISO100, F8.0, 1/190

レンズ性能は高いようだ。

 

広角端の歪曲はあるが、

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PDR-M70 7.0-21.0mm, 7.0mm, ISO100, F2.0, 1/50

簡単に補正できる素直な収差。

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PDR-M70 7.0-21.0mm, 7.0mm, ISO100, F2.0, 1/50 歪曲補正

 

同じ70の番号を持つ機種として富士フイルムのX70と並べてみる。

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X70とM70

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X70とM70

一回り大きい。ちなみに電源オフ時、上面液晶には時計が表示されている。

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M70の時計

これはなんかうれしい。必要ないような気はするけど。

 

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以前ヤフオクにまとめて出ていたのを落札したため六台ある。「落札者がいなかったら捨てます」とあったのでつい。昔のデジカメは書き込み速度が遅かったため複数台持ち出して取っ替え引っ替え撮影するという手法があったらしい。

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PDR-M70 7.0-21.0mm, ISO100, F8.0, 1/220

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PDR-M70 7.0-21.0mm, ISO100, F6.2, 1/200

330万画素なのでさすがに解像度が足りない感じではあるが、ブログにアップする程度なら全然問題ない。

みなとみらいの虹

虹

α7SII + FE85mmF1.8, ISO100, F9.0, 1/125, コントラスト調整あり

雨上がりに虹が出た。なかなか良い位置に出てくれた。

その後、雲が面白い形になった。

みなとみらいと雲

α7SII + FE85mmF1.8, ISO100, F7.1, 1/320

嵐の後は空気が澄んで遠くまでよく見える。

夕暮れの富士山

α7SII + LA-EA4 + Sonnar 135mmF1.8ZA, ISO100, F4.5, 1/200, 暗部持ち上げ

ブローニーフィルムのデジタル化 (ネガ、ポジ)

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PENTAX 6x7 + SMC PENTAX 67 SOFT 1:3.5 120mm  外交官の家

外出自粛ということで昔撮影したフィルムのデジタル化に勤しんでいる。

ビオゴン21mmの記事で紹介したスライドコピーアダプターES-1を使った方法で取り込めるのは35mmフィルムまで。

ブローニーフィルムを取り込みたいので、今回は違う方法でやることにした。

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その方法は、フィルムをライトボックスに載せて撮影するだけ。意外にもこれで十分な画質にできた。撮影は三脚を使って行う。使用したレンズは50mmマクロ、カメラはα7RII。気をつけるべきことはライトボックスに対するカメラの角度くらいか。

フィルム周辺の光が回り込んでしまうのを避けるためにフィルムサイズに切り抜いた↓のような黒枠は用意した方が良いかもしれない。明るい写真ならなくても大丈夫。

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PENTAX 6x7 + SMC PENTAX 67  1:2.8  165mm Velvia50

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PENTAX 6x7 + SMC PENTAX 67 SOFT 1:3.5 120mm Velvia50

最初に載せた写真は実はネガフィルムである。

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元の色はこんな感じ。まずはこれのオレンジ色を抜く。Lightroomで言うとホワイトバランスのスポイトツールで写真外枠のオレンジ色を選択する。すると

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こうなるので、次にトーンカーブをいじって色を反転させる。

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この操作後、↓のようになる。

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あとはトーンカーブを微調整して好みの色に仕上げれば最初の写真のようになる。

 

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PENTAX 6x7 + SMC PENTAX 67 SOFT 1:3.5 120mm  外交官の家

これもネガフィルム。

撮影した時はソフトフォーカスの効果で窓からの光がもっと幻想的な雰囲気を作ると思っていた、ような気がする。多分十年数年前の写真。このレンズが好きでよく使っていた。

 

FUJIFILMMALL(フジフイルムモール)

SEL35F14GM と SEL35F14Z

近々発売されるFE35mmF1.4GMの性能がZeiss35mmF1.4に比べ、あらゆる指標で上回っているようだ。しかしこのレンズはZeiss35mmよりレンズ枚数が多いので透過率の面では、もしかしたらZeissに分があるかもしれない。F値は同じだけどT値に紙一重の差があるといった感じで。そんな差に大した意味があるとは思っていないがZeiss35mmの所有者としては何か一つだけでも強みを残しておいてほしかった。

すがるような思いでソニーに問い合わせてみたが『透過率に関しては公表していない』とのこと。ただ『FE35mmF1.4GMは最新技術のコーティングが施されているので、この点ではZeiss35mmより優位と考えている』そうだ。

この手の問い合わせに対して明確にどちらがどうという答えが返ってくるとは思っていなかったので優位という言葉があったのには少し驚いた。ソニーとしては完全に置き換えに来ているようだ。

これは買い替えを考えなければいけないなと思っていたところ、Zeiss35mmが今日になっていきなり7万円近くの値下げという仕打ち。

価格.com - SONY Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA SEL35F14Z 価格推移グラフ

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伊香保をα7SIIとSEL35F14Zで撮影

伊香保の夜景

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO400, F1.4, 1/15 トリミングあり

先月伊香保に行った時の写真。人通りは少なくコロナの影響を感じたが、廃墟も多く、もしかしたらそれ以前から活気を失っていたのかもしれない。

伊香保石段街

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.4, 1/2000

携行した機材はα7SIIとFE35mmF1.4ZAおよびコシナの10mm。ほとんどFE35mmで撮影した。

伊香保の湯

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.7, 1/100

夕方に着いて翌朝には帰ったので、昼間の写真が少ない。

伊香保の廃ビル

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO5000, F1.4, 1/30

伊香保ホテル松屋

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO800, F1.4, 1/15

名の通った観光地で現在もまだ賑わっていると思っていたから廃屋の多さに驚いた。

伊香保の廃屋

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO1000, F1.4, 1/30

 しかし風化した建物の存在によって風景としての魅力は増しているようにも見える。

伊香保石段街の夜

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO400, F1.4, 1/15

伊香保

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO640, F1.4, 1/30

伊香保の夜

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO4000, F1.4, 1/15

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO3200, F1.4, 1/30

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO6400, F1.4, 1/30 トリミングあり

35mmは野良猫を撮るには短い。トリミングが必須になるが、このレンズはF1.4でボケ量を稼げるから切り抜きしてもボケの生きた写真になる。そういう意味で非常に汎用性の高いレンズ。ただ前面レンズが大きいので猫の警戒心は高まる。ような気がする。

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO2000, F1.4, 1/30 トリミングあり

伊香保の夜

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO2500, F1.4, 1/30

伊香保神社

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO3200, F1.4, 1/30

石段街のてっぺんにある伊香保神社から30分ほどの軽い山登りをすると街を見下ろす展望台にたどり着く。ロープウェーもあるが朝晩は動いていない。

上ノ山公園展望台から見える夜景

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.7, 4秒

三脚は持って行かなかったので展望台の手すりにカメラを押し付けながら撮った。意外とぶれない。

上之山展望台からの夜景

α7SII + HeliarHyperWide 10mmF5.6, ISO200, 多分F5.6, 10秒

月夜でなければもっと星が写っただろうか。

展望台には他に誰もいなかった。

上之山展望台への道中

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO2000, F1.4, 1/30

展望台への道は整備されているので途中これといった障壁はない。しかし私が行った時は道中の半分くらい電灯が切れていたので夜は明かりが必要だった。幸いスマートフォンのフラッシュライトで足元を十分に照らすことができた。

展望台は朝行けば日の出が拝める。

上之山展望台からの朝日

α7SII + HeliarHyperWide10mmF5.6, ISO125, 絞り不明, 1/30

山の上展望台からの朝日

α7SII + HeliarHyperWide10mmF5.6, ISO100, 絞り不明, 1/40

温泉のない宿に泊まり食事は持ち込んだカロリーメイトで済ませたため一般的な伊香保の魅力は堪能していない。それでも十分に魅力的な街だと思った。

伊香保の猫

α7SII + FE35mmF1.4ZA, ISO100, F1.4, 1/200,  トリミングあり

Takumar 200mm F3.5

Takumar 1:3.5/200

Takumar 1:3.5/200

タクマーの巨大望遠レンズを入手したので持ち出してみた。撮影に使用したカメラはα7SIIとα7RIIとK-1

みなとみらい夜景

α7SII + Takumar 200mm F3.5, ISO640, F3.5, 1/30

このくらいの焦点距離になるとボケが大きいから幻想的な絵になりやすくて、ファインダーを覗いてピントリングを回しているだけでも楽しい。

みなとみらい駅

α7SII + Takumar 200mm F3.5, ISO125, F3.5, 1/30

みなとみらいイルミネーション

α7SII + Takumar 200mm F3.5, ISO125, F3.5, 1/30

非常に大きいレンズなので街中で構えるのはやや心苦しい。

Takumar 200mmF3.5をPENTAX K-1に装着

Takumar200mmF3.5とPENTAX K-1

Takumar200mmF3.5にフードを付ける

フードを付けると更に巨大に

しかしこのレンズ、60年以上昔のレンズとは思えないほど開放からキレのよい描写。

ランドマークタワー みなとみらい

α7RII + Takumar 200mmF3.5, ISO100, F3.5, 1/2000

上の写真のピクセル等倍切り出し比較

中心部は開放から高い解像力。周辺も少し絞るだけでシャキッとする。

 

周辺光量の低下は大きいが絞れば改善する。

絞り値による周辺減光の変化

絞り値による周辺減光の変化

Takumar200mmF3.5の絞り形状

自動絞りでない時代のレンズは羽根の枚数が多い

絞りは羽根の枚数が多いので最大まで絞っても円形を保つ。

Takumar200mmF3.5の玉ボケ

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO200, F3.5, 1/640

横浜公園噴水

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO400, F4, 1/200

望遠レンズはどこにボケを作るか考える余地があるのが良い。焦点距離の短いレンズを付けている時とは風景の見方が変わる。

紅葉とススキ

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO12800, F22, 1/200

山下公園銀杏並木

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO200, F3.5, 1/320

猫

K-1 + Takumar 200mm F3.5,  ISO200, F5.6, 1/400



Carl Zeiss Sonnar 50mmF1.5 の分解

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戦後カールツァイスのイチゴゾナー。中古市場でそこそこ見かけるレンズだが、きれいなものは少なくカビやクモリを持つものが多い。状態の悪いレンズを安く買って分解清掃して使おうとする方もおられると思うので分解記録を載せておく。なお、このレンズは貼り合わせが多いため、単純な清掃ではクモリやカビが除去できないこともある。

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まず銘板を外す。固着している個体では銘板と一緒にレンズの前枠が回ってしまうこともある。その時は↓このように前枠ごと外してしまって良い。

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レンズサッカーを使って引っ張り出す。簡単に出てこないこともあるがそんな時でも慌てない。手で握っていると体温で鏡筒が膨張してすっと外れることもある。どうしても外れない時は後玉を外して後ろから押し出す。

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次のレンズも同じようにして引っ張り出す。

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左が一番前のレンズ、右が真ん中のレンズ群

二つのレンズ群を外すと絞りに到達。

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今度は後玉を外す。

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外側のリングを外すと銀の筒が取り外せる。この時、位置を決めるためのネジのような部品が落ちる可能性があるので下に広めの受け皿を用意して慎重に取り外す。内側のリングは外す必要のない(外れない)タイプもあったと思うが、この個体に関しては外したような気がする。分解してから時間が経つので記憶が曖昧だ。同じ50mmF1.5でも違う部品が使われていることがあった。おそらく製造年代により少しずつ違うのだろう。

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これはさっきまでのとは違う個体の写真かも

↑外側の筒を外すとこんな状態になる。写真真ん中あたりに見えるリングは無限遠の位置を決める部品なので回さない。

後ろのレンズ群もねじ込み式ではないので引っ張り出す。

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切り欠きが付いているからねじ込みだと思ってしまうが、回転させずにそのまま引っ張り出す。

レンズは全部で3群。

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このレンズの難しいところは貼り合わせだ。

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真ん中のレンズ群

レンズ構成図を見ると、3枚のレンズが貼り合わされてこの一群を形成していることがわかる。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9e/Sonnar.pngWikipediaより

オールドレンズではこの貼り合わせ面によく問題が生じる。バルサム切れによるクモリなど。このレンズはカビが生えていた。

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まるで雪景色のよう

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反対方向から見るとちょっと気持ち悪い

このカビは貼り合わせ面に生えてしまっているので除去できない。

溶剤につけてレンズを剥がしてしまうことも可能ではあるが、再び貼り合わせる際に光軸を合わせる術が私にはない。以前、バル切れしたタクマーレンズで一度剥がして再接着してみたことがある。見た目はクモリが消えてきれいになったが写りはそれほど改善しなかった。多分光軸がずれてしまったのだと思う。

ゾナーは貼り合わせが多いから分解してもきれいにできない可能性は結構高いと思う。

ユ-エヌ レンズサッカー

ユ-エヌ レンズサッカー

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