ジャンク棚を整理していたら出てきた標準ズーム付フィルムEOS。二、三年前に落札した一山1,000-2,000円くらいのジャンクカメラセットに入っていたもの。だと思う。別のカメラを目的に落札したと思うが実はよく覚えていない。ネットオークションでは時々信じられないような状態の品が信じられない梱包で届くことがあって、そういうショッキングな取引の後は防衛機制の働きで記憶が曖昧になりがちである。
撮影途上のフィルムが入っていた。ジャンクカメラではよくあることだ。世紀の瞬間あるいは持ち主の大切な思い出が記録されていたら……という思いが一瞬頭をよぎるものの、勝手に現像するのもあれなので感光させて動作確認用フィルムにしてしまう。
カメラは電池を入れたら普通に動く完全動作品だったが今回は使わない。今回の主役はタムロンレンズである。
1995年発売、98年製造終了。20年以上前のレンズということになる。後継の177Dは10年間製造を続けたのに対して77Dの製造期間は短い。
https://www.tamron.co.jp/data/af-lens/77d.htm
https://www.tamron.co.jp/data/af-lens/177d.htm
両者の仕様は同一に見える。外観を変えただけで性能に違いはないのだろうか。ちょっと気になる。いずれ177Dも入手して比べてみたい。(忘れているだけで既に入手済みかもしれない)
さてこのレンズ、状態はどうだろう。
前面外周に何かあるが、ぱっと見はきれいだ。
後ろから見ても特に問題は見当たらない。なお、マウントはプラスチック。
正面から強い光を当てると前面外周の曇りが鮮明になる。しかしこれは範囲も狭いし影響はなさそう。奥の方で青い光を反射しているレンズから怪しい気配を感じる。
後ろからLED光を当ててみる。
思った通り。
また貼り合わせ劣化だろうか。今回は分解していないので原因は分からない。
蛍光灯にかざした程度では見えない曇りだから写りにそれほど影響はないはず。ということで分解清掃しないまま試し撮りすることにした。
シグマのアダプターMC-11経由でαに装着。写真ではα9に装着しているが、実際の撮影はα7R2で行っている。
広角から望遠まで全域で拍子抜けするほどよく写る。
↑ちょっとしたゴーストが生じることはある。
逆光の条件が厳しすぎたか虹が出た。しかし画面全体が白んでしまうほどひどくなることは少ない。
順光では非常に濃厚な写り。
広角で樽型の歪曲がある。気になるほどではない。
渋い飲食店が建ち並ぶ横浜関内の街。住所で言うと中区相生町あたり。
性能の良いレンズだと感じた。このレンズを常用レンズにしても全然構わないくらい。曇りの影響も感じなかった。ジャンクらしさをまったく感じられなかったという点では残念だった。