fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

Steinheil München Auto-Quinon 1:1.9 f=55mm

ドイツ、シュタインハイル社製のエクサクタマウント標準レンズ。F1.9とスペックは控えめだが見た目は豪華。

シュタインハイルのエクサクタ用レンズはどれもデザインがとても良い。アルミ鏡筒にもかかわらず軽さを感じさせない。真鍮鏡筒と同じような高級感が感じられる。もっともこの印象はヴァレックスの重厚なデザインに引っ張られている面もあるかもしれない。

マウントアダプター経由でαに付けるとちょっと残念な感じだ。自動絞りの機構部が浮いてしまって何とも中途半端な姿である。

日本大通りの鳩とアガパンサス

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/800

だが撮れる写真は良い。逆光には弱く、光の入り方次第ではコントラストが低下してしまうが、レンズに強光が入らないように注意すれば開放絞りでも十分に濃厚な写りとなる。

鳩とアガパンサス

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/640

山下公園前のアガパンサス

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/1250

ボケが渦巻いている。中心はしっかり解像している。

中央部拡大

山下公園前のアガパンサス

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO320, F2.8, 1/250

渦巻いているが、うるさくはない。実際に使っている時に受けたのは「きれいにボケるレンズだな」という印象で、ダメなボケだとは感じなかった。

ギャルリー・パリ

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/400, ギャルリーパリ

ピントを遠めに置いて平面的な被写体を撮影した時の描写は衝撃的だった。最近のレンズでこの描写は得られない。

中央部拡大

中心は問題ないが、

左下隅拡大

周辺が流れている。像面湾曲、非点収差が大きいのだろう。

横浜開港資料館

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/500, 横浜開港資料館

絞り開放時の周辺の甘さはオールドレンズらしい雰囲気の写真を撮るに適しているとも言える。このレンズの場合、周辺が流れてもそれほどうるさい描写にはならないから雰囲気の良い写真にはなりやすい。

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/3200

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F1.9, 1/3200

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F5.6, 1/250

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F4, 1/250

絞れば渦巻きは解消する。

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO200, F1.9, 1/250

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO200, F2.8, 1/250

逆光のアジサイ

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO200, F1.9, 1/500

富士山と夕日

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO100, F値不明, 1/400

馬車道飲み屋街

α7R2 + Auto-Quinon55mmF1.9, ISO400, F1.9, 1/60, 横浜馬車道界隈(5年前)

掲載した写真はほとんどが数日前に撮影したものだが、最後の二枚だけはこのレンズを購入した当時に撮影したもの。

絞り形状の変化

絞り形状の変化