ドイツ、シュタインハイル社製のエクサクタマウント標準レンズ。F1.9とスペックは控えめだが見た目は豪華。
シュタインハイルのエクサクタ用レンズはどれもデザインがとても良い。アルミ鏡筒にもかかわらず軽さを感じさせない。真鍮鏡筒と同じような高級感が感じられる。もっともこの印象はヴァレックスの重厚なデザインに引っ張られている面もあるかもしれない。
マウントアダプター経由でαに付けるとちょっと残念な感じだ。自動絞りの機構部が浮いてしまって何とも中途半端な姿である。
だが撮れる写真は良い。逆光には弱く、光の入り方次第ではコントラストが低下してしまうが、レンズに強光が入らないように注意すれば開放絞りでも十分に濃厚な写りとなる。
ボケが渦巻いている。中心はしっかり解像している。
渦巻いているが、うるさくはない。実際に使っている時に受けたのは「きれいにボケるレンズだな」という印象で、ダメなボケだとは感じなかった。
ピントを遠めに置いて平面的な被写体を撮影した時の描写は衝撃的だった。最近のレンズでこの描写は得られない。
中心は問題ないが、
周辺が流れている。像面湾曲、非点収差が大きいのだろう。
絞り開放時の周辺の甘さはオールドレンズらしい雰囲気の写真を撮るに適しているとも言える。このレンズの場合、周辺が流れてもそれほどうるさい描写にはならないから雰囲気の良い写真にはなりやすい。
絞れば渦巻きは解消する。
掲載した写真はほとんどが数日前に撮影したものだが、最後の二枚だけはこのレンズを購入した当時に撮影したもの。