先日、西ドイツのカールツァイス製ビオゴン35mmで撮影した散歩写真を紹介したが、今週は戦前ツァイスによる元祖ビオゴンをぶら下げてお花見してきた。
焦点距離と開放F値の基本スペックは戦後ビオゴンと同じだがレンズにコーティングが施されていない。コーティング技術が確立する前の時代のレンズだ。
コーティングがないとレンズ面の反射が抑制できないので光の透過率が下がったりフレアが生じやすくなったりする。
ここに掲載する写真はすべてα7SM2との組み合わせで撮影したもの。絞り値はすべて開放F2.8。
この個体はレンズ前群に分解清掃しても落ちない曇りがあって、その影響も大きいと思うが、とにかくコントラストが低い。戦後ビオゴンのようなくっきり濃厚な写りにはならない。
一般的には低性能とされる特徴だが写真として見ればフレアまみれも悪くない。このレンズはデジカメで使うと周辺がボケてしまうのだが、フレアによる低コントラストと相まって心象風景のような絵になりそれが逆に良い。
最近、欄干の曲線が写真に活かせると気付いた。
冒頭の写真はこうした欄干撮影に取り組んでいる最中に偶然撮れた一枚。
桜の散る様が美しかった。もう少し長い焦点距離のレンズだと風に舞う花びらをボカして大きく写せたかもしれない。
京急の赤白カラーリングと青空の対比が好き。
壁を緑色に塗られた学校があって普段は、浮いているなあと思っていたが色の濃い桜と一緒に写したらきれいだった。
ピントリングを回す方向が分からなくなってピントを行ったり来たりさせながら撮影した写真。メーカーによって回転方向が違うので色んなレンズを使っていると混乱する。この写真は多分無限遠を通り越したオーバーインフ状態で撮影したもので、どこにもピントが合っていない。絵としては色がきれいだからまあいいかなと。あれもだめこれもだめな描写の甘いレンズばかりを使っていると「もしかしたらピントもいらないんじゃないか」みたいな境地に辿り着く。
横浜の桜はもうそろそろ終わり。
すぐに新緑を楽しむ季節がやってくる。
今週のお題「お花見」