fortia’s レビュー

カメラと猫と音楽と骨董品

才能ではなく積み重ね

毎日音感トレや苦手な音程跳躍の練習をして、少しずつ正確なピッチで歌えるようになってきたが、やっぱり外してしまう。合っていると思っても録音を聞いたらずれていることもあるし、音のイメージがぼやけてしまって声を出す前から外すのが分かっている時もある。ライブを見に行っても音を外す歌手はいないから根本的なところで何か違う気はしている。

高校の頃の話。ラグビー部の友人が何の気なしに鼻歌を歌ったら音程がとても正確だった。聞いた瞬間分かった。彼は習い事をしておらず音楽経験も特になかったそうだが、それでも音感を身につけていた。ブラバンでサックスを吹いていた私は鼻歌もろくに歌えなかった。

才能の違いとは考えない。幼少期の学習効果と日々の積み重ねによる違いだと考えている。彼は幼い頃から自然と歌う環境にいて音楽を好むようになり呼吸をするように音楽経験を重ねてきた。無意識のレベルで私より深く音を聞いていた。実際どうか知らないが、そう考える。才能なんだと考えても一つもいいことない。驕ったり諦めたりするようになるだけ。諦めた方がいいこともあるか。

基本的には何でも積み重ねだと思う。センス、と言われるようなものも日々どれだけ神経をそこに注ぎ込むかで決まると思う。今日はどういう組み合わせにしようと毎日服を選ぶようにしたら洋服の細かなデザインや素材の質感、色の微差に気付くようになる。毎日絵画を鑑賞するように風景を眺めていたら何てことない日常の一コマが絵に見えるようになる。

音楽も日々の聞き方によって捉え方が変わってくるはず。多分私はこれまで音楽を聞いていなかった。聞いていると思っていたが、本格的に音楽をやっている人たちとは聞き方が違っていたと思う。この和音が美しいとか、この音程の跳躍がドラマチックだとか、そういう聞き方をしていなかった。そこまでの興味がなかった。だから和音も聞き取れないし音のインターバルも把握できない。今はそういう関心の持ち方になっているから、ここから積み重ねが始まるのだと思う。積み終わる頃にはおじいさんになっているかもしれない。それでも大成功だろう。