fortia’s レビュー

カメラと猫と音楽と骨董品

ばあちゃんの箱鏡台

数年前ヤフオクにて個人から譲り受けた。実際には「落札」したのだが、落札額は百円だし出品者もお金のために出品したわけではないと思うので、この表現が適切と思う。

開くと鏡台になる箱。

美しい模様の木材で精巧に作られている。

メッキの剥げたノブに年月を感じる。

随所にこだわりが見える意匠。蓋も引き出しもまったく問題なくスムーズに動くことに驚いた。まさに職人芸。

どんな来歴の品なのだろう。発送元は四国。海を渡ってここ横浜まで来たと思うと感慨深い。

修理して大切に使われてきたようだ。

私は薬箱として使っている。

品物を受け取った後、出品者にメッセージを送り、良い品を譲ってくれたことへの感謝と長く使っていきたい旨を伝えたところ「ばあちゃんも喜ぶと思います」という返事が来た。

 

古いものを迎え入れるたびに「誰かが使っていたもの」であることを思う。

中には悲しいエピソードを持った品もあるかもしれない。

はじめの頃は「人の物を使っていいんだろうか?」と思ったが、今はあまり気にしない。自分の使ったものもまた同じ道を辿る。あるいは捨てられる。そういう長いスパンで考えてみると、まあ別に許されるんじゃないかという気がした。

もう少しまともな場所に置いてあげたいが、狭い部屋なので。ばあちゃんお怒りだろうか。