COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO2500 歪曲減光補正適用 LRのクロスプロセス現像
COOLPIX Aは35mm判換算28mm相当画角の広角レンズを搭載したAPS-Cセンサー使用のニコンのデジカメ。
発表時は待望の大型センサー搭載コンパクトデジカメとしてマニアの期待を一身に集めていたが、発売前にコンパクトさで上回るリコーのGRが発表され、一気に主役の座を奪われてしまった不遇のカメラ、だったと記憶している。
起動時間は短く電源オンからすぐに撮影可能になるため使い勝手は大変良い。歩きながらさっと取り出して撮影するスタイルに向いている。画質ももちろん良い。大型センサーなので高感度撮影もそつなくこなす。
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/200 ISO100 LR補正適用 クロスプロセス
歪曲は感じられないが自動補正が適用された状態と比較すると弱い樽型の歪みを感じる。非常になだらかな歪みなので普通は気づかないだろうし、補正前補正後を比較すると補正前の方が自然に感じられる場合もあるため、何が何でも真っ直ぐにしてやる、と意気込む必要はない。下は補正前後を比較したアニメーションGIF。
ライトルームによる自動補正を適用したため、この作例では周辺光量不足も併せて補正されている。このカメラが(ネット上で)不評だった理由の一つにこの周辺減光がある。見ての通りかなり劇的に落ち込むので気になる人はいたようだ。
私は周辺減光をあまり気にしない、というよりむしろ好んでさえいたので、そういう批判が重箱の隅をつつくようなものに思えていた。下は周辺減光と歪曲の補正をしていない写真になるが、周辺減光のおかげで普通とは違う独特な雰囲気が醸し出されていると思わないだろうか。COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO320
参考までに減光と歪曲を補正した写真も掲載しておく。
高価格帯の商品だったから、均一な描写という高性能が求められるのも無理ないことだと思う。ニコンならもっと完璧に仕上げてくるはずという期待もあったかもしれない。個人的には、大型センサーでこのサイズに収めている点を考慮すると、減光も歪曲の補正加減も良いあんばいになっているんじゃないかと思う。
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO320 補正なし クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO220 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO10 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO100 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO220 補正なし
ボケを積極的に利用しようと思うほどではないが、APS-Cセンサーに18.5mmF2.8のレンズ なのでまあ一応ボケる。ボケかたは滑らかで良いと思う。
中央部拡大。ニコンのデジカメは昔からシャープに写る印象がある。
近接撮影する場合はサイドのスイッチでマクロモードかマニュアルフォーカスに切り替えることで15cmくらいまで寄れるようになる。マニュアルフォーカスはレンズ 周りのリングで調整、ピントも背面の拡大ボタンで拡大できるので十分実用的。
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO110 補正、コントラスト調整
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/250 ISO100 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/160 ISO100 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/500 ISO100 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO140 補正なし クロスプロセス
建造物の撮影では直線が真っ直ぐに写ってくれると心地よい。
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO125 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/160 ISO100 補正あり クロスプロセス
COOLPIX A 18.5mm F2.8 1/125 ISO360 補正あり クロスプロセス
後継機が発売されなかったのは残念だが、今使ってみても特に不満は出てこないので、このカメラはこれで一通り完成していると言えるのかもしれない。