fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

アンティーク木箱

ヤフオクで落札したアンティークな箱。出品写真だけでも良い品と分かり競合必至と思ったが、他に入札者はなく開始価格500円で落札できた。

木箱の製法に詳しくはないが、ひと手間ふた手間かかっているのは分かる。

木目も揃っている。

底も丁寧に塗られている。

この模様と、微かな光沢が上品で良い。

古さは感じるが状態は非常に良い。大切に使われてきたことが伝わる。

前の持ち主はこの箱に何を入れていたのだろう。

私は筆記用具や謎の文鎮などを入れている。

ヤフオクではこういう良い物が捨て値で次々流れていく。落札者がいない品もたくさんある。

良い物でも活用できなければ場所を取るだけだから仕方ない。私も色々捨てる。

捨てるにしろ使うにしろ、作り手が込めた意匠は読み取っておきたいと思っている。

野良猫の耳カット

Olympus C8080   ISO50, 1/80秒, F3.5, 35.6mm

先日の記事のコメント欄でLeila (id:LeilaF)さんと野良猫の耳カットについてやりとりした。

これは野良猫に不妊去勢手術を施した際に付ける印なのだが、ご存知ない方も多いかもしれない。

私も野良猫撮影をし始めた頃は猫同士のケンカで付いた傷だと思っていた。

NEX-5 + レンズ不明   ISO200, 1/80秒, F値不明

痛々しいと感じてしまうが、それは問題に関与しない傍観者である私の単純な感想に過ぎず、現実は複雑だ。

inuneko-fukushi.or.jp

猫好きの人たちが猫の幸福を願って奔走し、社会との調整を経て辿り着いた結論だから間違いなくこれは一つの解である。

皆かわいがられて幸せそうに生きている。

X-A3 + XC50-230mmF4.5-6.7OIS   ISO320, 1/60秒, F6.4, 171.6mm

私が撮影してきた猫の耳カットにはいくつか種類があった。これはVカット。

*ist DS2 + K135mmF2.5   ISO200, 1/90秒, F2.5

NEX-5 + E18-55mmF3.5-5.6OSS   ISO1600, 1/50秒, F5.6, 55mm

控えめなカット。パッと見では分からないが寄って見ると

ごくわずかにカットされている

*ist DS2 + FA50mmF1.4   ISO200, 1/750秒, F3.5, 50mm

ピアス

昔はこういうピアスを付けた猫もいた。外れてしまったり感染症にかかったりするリスクがあったのか、これは広まらなかった。

Huawei P30Pro   ISO50, 1/1900秒, F4.0, 5.56mm

Vカットか?

Huawei P30Pro   ISO50, 1/100秒, F3.4, 14.46mm

人の言葉を発しそうな雰囲気の猫だった。

*ist DS2 + DA18-55mmF3.5-5.6AL   ISO200, 1/90秒, F5.6, 55mm

水平カット。

DSC-RX0   ISO5000, 1/500秒, F4.0

これは怪我かな。さすがに。

α1 + 30mmF1.4DC DN   ISO12800, 1/100秒, F1.4, トリミング

Vカットのイケメン猫。

最近は本当に野良猫が少なくなった。

じきに耳カットされた猫を見かけることもなくなるのだろう。

Carl Zeiss Jena Tessar 1:8 f=2.8cm ブラックニッケル

コンタックス用の広角レンズ、カールツァイスイエナのテッサー2.8cmF8。『コンタックスのすべて』によると1933年製造開始。この個体はシリアルナンバーから1935年製と思われる。

3群4枚構成の薄いレンズ。

当時の価格は115RM(ライヒスマルク)。50mmテッサーのF3.5とF2.8の2本に次いで安いレンズだった。ちなみに50mmF1.5ゾナーは300RM。

以前も引用させてもらった、ドイツ史が専門のHarold Marcuse教授のウェブサイトによれば1935年当時のUSドルとライヒスマルクの交換レートは1USD=2.48RM(年間平均)とのこと。115RMはUS$46くらいになる。

https://marcuse.faculty.history.ucsb.edu/projects/currency.htm

インフレ計算機によると1935年のUS$46は現在のUS$1,000くらいだそうだから、

https://stats.bls.gov/data/inflation_calculator.htm

ラインナップ中、三番目に安価だったこのレンズも十分に高級品だったということ。

性能は小さいレンズにしては良いと思う。と言ってもマウントアダプター経由のデジカメでしか使っていないから正確なことは分からない。デジカメだと周辺描写が乱れる場合が多いから、本当はフィルムカメラ用レンズのテストには向いていないのだ。このレンズはいずれフィルムカメラでも試してみたいと思う。今回掲載する写真はすべてデジタル一眼に装着して撮影したものである。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/160

開放のF8でボケボケだった周辺はF22、F32まで絞れば改善するが、さすがにこれだけ絞ると中央の解像力が落ちる。フィルムならそこまで絞らなくてもF11あたりで四隅まで安定しそうな気はする。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO800, F8, 1/125

歪曲はあるが大きくはない。建物を撮影しても気にならないレベルだろう。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/160

近接撮影は得意かもしれない。意外とキレがある。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO500, F8, 1/125

でも、すぐにフレアが出てふんわり描写になるから、やはり昔のレンズだなと思う。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO3200, F8, 1/125

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/125

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/125

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO2000, F8, 1/125

趣きのある古い家が次々と消えていくから寂しい。こういった場所も気付くとマンションになっている。しかし百年後の世界で未来の写真愛好家たちが味のある旧式建築物としてマンション撮影している姿を想像すると、まあ。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/125

百年後もこの空は同じように撮影できるだろう。

12年前のデジカメG1Xは今でも使えるか?

2012年3月発売のキヤノンのコンパクトデジタルカメラPowerShot G1X。

15-60mm(換算28-112mm)のズームレンズ搭載

センサー面積がフォーサーズ以上ということで私の中では高評価のデジカメ。

ひと昔前の製品だが、今でも使える性能を持っているだろうか。

1ヶ月ほど持ち歩いてみたので、その感想を書き記したい。

G1X  ISO100, 1/800秒, F5.0, 33mm

画質はまったく問題ない。画素数は1,400万画素と今の基準からすると少なめだが、それで困る場面はないと思う。

私のようにブログにアップするぐらいしか写真の使い道がない人なら500万画素、いや200万画素でも十分だ。

G1X  ISO100, 1/15秒, F5.6, 50mm

猫だって撮れる。

中央部切り出し

↑ピントが合えばこんなにキレの良い画質。

G1X  ISO100, 1/10秒, F5.6, 50mm

ただ、オートフォーカスがちょっとあれでピントが結構抜ける。

G1X  ISO100, 1/800秒, F5.6, 52mm

春だなあ、とモクレンの蕾をズームしたが……

G1X  ISO100, 1/640秒, F5.8, 60mm

何度AFを繰り返しても手前の蕾にピントが合ってくれない。

マニュアルフォーカスに切り替えれば合わせられないこともないのだが、できればAFで合わせてほしい。

G1X  ISO100, 1/320秒, F6.3, 15mm

画質は良い。

G1X  ISO100, 1/20秒, F6.3, 26mm

G1X  ISO100, 1/320秒, F5.6, 28mm

あちらこちらに春を感じる。

G1X  ISO100, 1/160秒, F5.8, 60mm

センサー面積が大きいからボケも得やすい。構図を意識しなくても自然にボケてくれる。

ドロドロに溶ける必要はないのだが、やはりある程度ボケてくれると助かる。全域にピントが合ってしまうカメラは難しい。

G1X  ISO800, 1/40秒, F2.8, 15mm

高感度撮影もいける。

G1X  ISO1600, 1/13秒, F5.6, 40mm

ISO1600でもノイズは気にならないし色も失われない。

切り出し

今でも実用十分な性能を持っているデジカメである。

ボディもしっかりしていて昔の金属カメラのような重厚感がある。

バリアングルモニタはしゃがみ込んでの猫撮影に良い。

バリアングルモニタ

オートフォーカス性能だけが時代を感じるところで、ここが気にならなければ大変良いカメラと言える。

CCD不良のオールドデジカメ

20年前のデジカメ

2004年1月に発売されたカシオのコンパクトデジカメQV-R51イメージセンサーは普通のコンデジより少し大きめの1/1.8型で500万画素。

ガワは金属製でしっかりした作りになっており安いカメラではなかったと思われる。

いつも通り百円ジャンクで入手。

新品のような状態

シールが貼られたままのきれいな個体で期待は高まっていた。高まっていたが。

画像が乱れている

なんかおかしい。

撮影した写真をPCに取り込んでみると、

ジャンクQV-R51で撮影した写真

何を撮ってもピンク嵐になってしまう。

これはきっとあれだ。

ソニー製CCD不具合問題とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書

結構大きな話題になったのでご存じの方も多いと思う。ソニーイメージセンサーの製造工程を変えて、不良リスクの高い製品をたくさん作ってしまったという問題。ソニー製CCDは様々なメーカーのカメラに使われていたので影響は広範に及んだ。

QV-R51ににソニー製CCDが使われていたという情報は見つけられなかったが、発売時期が同じで同スペックのセンサーを搭載したペンタックスのoptio555がリコールされているから、

ペンタックス、「Optio 555」など6機種でCCD不具合

多分これもそうだろうなと。

とりあえず分解してみる。

分解しようと底を見たらネジが2本なくなっていた。前所有者が修理を試みたのだろうか。

分解は特に難しくない。

液晶部分を外すとイメージセンサーにアクセスできる。KX866という型番のセンサーなのかと思って検索してみたが情報は見つからなかった。

取り外せた。これを顕微鏡で観察する。

以前、同様にコンデジセンサーを観察した時SONYの文字と型番があったから今回も探してみたが、

顕微鏡対物レンズで撮影したQV-R51のセンサー

このセンサーでは見つからなかった。

『日経ものづくり2005年12月号』にソニー製CCD不良問題について詳しく書かれているのだが、それによると不良の原因は、接着剤由来のガスの発生により電極が酸化、剥離し、CCDチップとリードフレームを繋ぐワイヤーが外れてしまうことだそうだ。

ボンディングワイヤ

ワイヤーの存在は確認できたが不良があるのかどうかはよく分からない。上の金色のパッドが腐食しているようにも見えるが、日経の記事によれば影響を受けるのはチップ側のアルミ電極だそうだから不具合が見えるとしたら写真真ん中のラインと思われる。上から見るだけでは分からない浮きがあるのかもしれない。

より詳細に観察するにはチップを封入している表面のガラスを外す必要があり、これを取り外そうと苦闘していたら、

破損センサー

壊してしまった。

もうカメラに戻せなくなってしまったが、傷つけてしまったことで得られた知見もある。

イメージセンサーの階層構造を見ることができた。

グレーの層の下に緑の層がある

この削られたグレーの層がオンチップマイクロレンズとカラーフィルターではないだろうか。

https://semi-journal.jp/wp-content/uploads/2022/02/image-sensor-structure-1.png

図はSemi journalより引用

マイクロレンズの役割については下記TOPPANサイトを参考に。

イメージセンサー向けカラーフィルタ・マイクロレンズ/オンチップカラーフィルタ | TOPPAN株式会社エレクトロニクス

 

CCD不良の原因を見てみたいと思って分解したから、そこに到達できなかったのは残念だが代わりに興味深いものを見られて良かった。

 

Takumar 1:4/300を分解清掃

ASAHI PENTAX ESIIに付けたTakumar 300mmF4 後期型

少し前の記事で、街で構えたら危険なレンズとして紹介したタクマー300mm望遠レンズ。

長さ25cm質量1.5kgの大砲。いつも通りジャンクとして入手した品だ。

↓こちらのブログによるとこのレンズには3群3枚の前期型と4群4枚の後期型があり、後期型は更に分類できるとのこと。

タクマー300mmF4 後期型 5タイプあった: つんつんブログ

私のレンズは絞りがF32まであるタイプの後期型だ。

ジャンク品なので当たり前のようにカビが生えている。

これは後玉だが、ここ以外にも問題がある。

前から覗くと、虫の死骸と思われる物体とそこから生えたカビが見える。

絞りの後側、前から3群目のレンズ上にある。

とりあえずこのカビだらけの状態でデジカメに装着して撮影してみる。

α1 + Takumar300mmF4  ISO100, F4, 1/400

割と普通に写った。

中央部分切り出し

大気の揺らぎがあってテストにはやや不適な天候だった。

α1 + Takumar300mmF4  ISO100, F4, 1/160

数枚撮影した結果、コントラスト低めのオールドレンズらしい写りと感じた。

清掃により低コントラストは改善するだろうか。分解してみる。

↑ねじるだけでレンズ部(上)とヘリコイド部(下)に分離できた。

これで後玉が取り出せる。盛大にあったカビは簡単に清掃できた。

残念ながら虫の死骸には到達できなかった。

あれこれ眺めて構造を推測するに、レンズ部は絞り羽根の前後で前群後群に分離できると思うのだがゴム輪やゴム手袋を使ってひねってみてもダメだった。

回転方向も両方試したが。

一番ひどい後玉のカビはなくなったから、まあいいやと諦めた。

清掃後のレンズで撮影した結果は以下。

α1 + Takumar300mmF4  ISO100, F4, 1/160

変わらない……

α1 + Takumar300mmF4  ISO100, F4, 1/800

中央部切り出し

よく写ってはいるのだが、コントラスト不足な印象は変わらない。

α1 + Takumar300mmF4  ISO100, F4, 1/50

中央部切り出し

モヤっとした写りになっているのが分かるだろうか。なお、猫の眼差しが不審者に向けられるようなそれになっているのは、巨大なレンズを向けられ警戒感が高まっているためと思われる。

α1 + Takumar300mmF4  ISO400, F4, 1/30

このクラスの望遠レンズは被写界深度が非常に浅く、ピントを遠方に置いても背景がよくボケてくれる。ピントを遠めに置いても背景がボケるというのは写真表現においてとても重要な要素だと思う。

α1 + Takumar300mmF4  ISO2500, F4, 1/30

中央部切り出し

現代レンズのようなシャキッとした写りにはならないが、変な癖もなく、時代を考えると優れたレンズだと思う。

α1 + Takumar300mmF4  ISO800, F4, 1/160

猫には逃げられた。

鉄道合図灯を改造して部屋の照明にする

昔、駅で使われていたという電灯。

形や質感が気に入って数年前にヤフオクで購入した。3個1,000円くらいだったと思う。

堺東駅で使われていたようだ。

電池で豆電球を点ける構造になっているが、私は部屋で使う照明として利用したかった。

中身を取り出せばLED電球を入れるぐらいのスペースは確保できるんじゃないかと思った。

穴を少し拡げてやればE17サイズのゴムソケットが入りそうだった。

プラスチックを削って入れた。

なかなか良い収まり具合。

LED電球を入れる。

底部に元々あった穴を通して配線する。

あとは点けるだけ。

思っていた以上に強い光を放ってくれた。照明として十分に使える。

ただ、インテリアとして期待していたインパクトがちょっと足りないというか、部屋の雰囲気に微妙にマッチしない感じで、ポテンシャルを引き出しきれなかったかなと。3つとも改造する気だったが考え中。