fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

ボケの役割

α1 + LA-EA5 + Sonnar135mmF1.8ZA    ISO100, F2.0, 1/1000

ボケ味云々うるさい私たちカメラマニアのせいか、時々「何が写っているか分からないボケボケ写真を量産して何になるの?」と冷たい視線を向けられることもあるボケについて少し語りたい。ボケにこだわる理由をマニアでない方々に伝えたい。

ボケは重要だ。

冒頭の写真は錆びついた街灯をボケ量の大きいレンズを使って写したものだが、同じ被写体をボケが少なくなるようにして撮影するとこうなる。

α1 + LA-EA5 + Sonnar135mmF1.8ZA    ISO100, F11, 1/30

分かりやすいように中央部を拡大してみる。

F2.0で撮影した写真の中央部切り出し

F11で撮影した写真の中央部切り出し

上の写真は街灯が背景の建物から分離して見えるが、下の写真では分離せず、鑑賞者の視線が背景であるはずの建物に取られてしまう。

このようにボケには主題とそれ以外を切り離すという重要な役割がある。

α7R2 + LA-EA4 + Sonnar135mmF1.8ZA    ISO100, F1.8, 1/3200

こういう写真も前景と背景の輪郭が柔らかくなるからこそピントを当てた被写体が鋭く浮き上がるし、叙情性みたいなものも出るのだと思う。全域にピントが合った写真は伝わる情報が多すぎて少し疲れる。

α1 + FE85mmF1.8    ISO100, F1.8, 1/1600 佐島マリーナ

確かに、背景に何が写っているのか分からなくなるくらいまでボカしてしまうと、文脈を伝えるという写真表現からは遠くなってしまうかもしれない。

α7R2 + LA-EA4 + Sonnar135mmF1.8ZA    ISO100, F1.8, 1/2000

K-1 + Takumar200mmF3.5  ISO200, F3.5, 1/800

でも大きなボケで遊ぶのは楽しいから、ついこういうボケボケ写真を撮ってしまう。

α7S2 + Takumar200mmF3.5  ISO200, F3.5, 1/30

私がボケにこだわる理由はこんな感じ。

ボケ味に関してはそれほどこだわりはない。ボケ量を重視している。