FE50mmF2.5GとF1.8標準レンズの比較 一段のボケ量差

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随分前にした標準レンズ比較の続き。FE50mmF2.5Gと無印FE50mmF1.8とFE55mmF1.8ゾナー、この3本でどれを買うか迷った時、開放F値2.5と1.8というちょうど一段分の差は気になると思う。ここではこの一段の差がボケ量にどの程度の影響を与えるのか、実際の写真から確認してみたい。

同じ位置から撮影した場合

最初に断っておくと、この3つのレンズは実際の焦点距離が少しずつ異なっているため単純なボケ量の比較は難しい。55mmが50mmより長いのは当然だが同じ50mm同士でも、無印50mmの方がG50mmよりわずかに長い。なので、同じF値で同じ位置から撮影するとボケ量は 「G → 無印 → ゾナー」の順で多くなる。

↓これはその比較。3本のレンズを使って同じF値で同じ位置から撮影した。

三脚に固定したα1に3本のレンズを付けて撮影(F2.5で統一)

三脚に固定したα1に3本のレンズを付け替えて撮影(絞りはF2.5

それほど違いを感じないかもしれないが切り出してみれば一目瞭然。

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G→無印→ゾナーの順でボケが大きくなっている。F値が同じでもこれだけ違う。

ちなみにGレンズは口径食の影響でレモンボケになっている。ゾナーと無印はF1.8をF2.5に絞ったおかげで口径食を回避できている(一番外側のボケはやや怪しい)。

3本とも絞り開放にすればボケ量の差はもっと大きくなる。

今度は3本とも絞り開放

今度は3本とも絞り開放

ボケの形は絞り開放なため3本ともレモンボケ

絞り開放だから3本ともレモンボケ

カメラを前後にずらしての比較

ここまではカメラの位置を固定しての比較だったが、今度はカメラを前後にずらしてピント位置のネズミの大きさを揃えて撮影した比較も行った。↓絞り開放での比較。

絞り開放での比較(アニメgif)

絞り開放での比較

やはり55mmのゾナーのボケが大きく、Gレンズはボケ量が少ないのが分かる。画角の違いが意外と大きいことにも気付くと思う。

下はF2.5に揃えた比較。ボケ方自体は大差ないが、50mmにくらべて55mmの方が背景が手前に迫ってくる分ボケが大きいように見える。

同絞り値F2.5での比較(アニメgif)

同絞り値F2.5での比較

ここまでの流れから「ボケを重視するならやはりF1.8か」と結論しそうになるがまだ早い。Gレンズには他のレンズより「寄れる」という長所があり、これによってボケ量はまた変わる。

最短撮影距離の違いがもたらすボケ量の差

最短撮影距離の違い

最短撮影距離の違い

ネズミの位置が各レンズの最短撮影距離になる(ピントはAFで設定)。見ての通りGレンズは群を抜いて寄れる。そしてピントが近づいた分だけ背景ボケは大きくなる。

各レンズの仕様表上の最短撮影距離は次の通り。

  G : 35cm (AF時)、31cm (MF時)

  無印 : 45cm

  ゾナー : 50cm

「寄れば」という限定付きではあるがFE50mmF2.5Gも背景ボケの大きな写真を撮れる。

ボケの話からは少し逸れるが、この「寄れるかどうか」は結構大きな問題で、Gレンズの接写を経験してからゾナーに戻ってみるとあまりの寄れなさ加減にストレスを覚えた。ゾナーだけ使っている時は全然感じなかったのだが。

 

屋外での一般的な撮影状況での比較

ここまでボケ量の違いについて細かく比較してきて、それなりの差があることを確認した。しかしこの比較は、ミニチュア撮影のような最短撮影距離近辺に限定された特殊な状況においての話である。もっと一般的な、屋外の普通の撮影場面ではどうだろう。

次に挙げる写真は屋外での作例で、同じ位置から3本のレンズの絞り開放で撮り比べたものである。

α1 + FE50mmF2.5G, ISO100, F2.5, 1/2000

α1 + FE50mmF2.5G, ISO100, F2.5, 1/2000

α9 + FE50mmF1.8,  ISO100, F1.8, 1/6400

α9 + FE50mmF1.8, ISO100, F1.8, 1/6400

α7RII + FE55mmF1.8ZA,  ISO100, F1.8, 1/4000

α7RII + FE55mmF1.8ZA, ISO100, F1.8, 1/4000

背景の文字NEW GRANDを見るとGレンズでは文字がはっきり読めるのに対し、ゾナーは判別できなくなる一歩手前くらいまでボケている。というように無理やり探せば違いがあるようにも見えるが、普通に見れば同じ写真が3枚並んでいるだけとも言える。

α7RII + FE50mmF2.5G, ISO100, F2.5, 1/3200

α7RII + FE50mmF2.5G, ISO100, F2.5, 1/3200

α7RII + FE50mmF1.8,  ISO100, F1.8, 1/6400

α7RII + FE50mmF1.8, ISO100, F1.8, 1/6400

α7RII + FE55mmF1.8, ISO100, F1.8, 1/6400

α7RII + FE55mmF1.8, ISO100, F1.8, 1/6400

ピントが少し遠くになるとボケ量の違いはほとんど気にならなくなる。

 α7RII + FE50mmF2.5G, ISO250, F2.5, 1/250

α7RII + FE50mmF2.5G, ISO250, F2.5, 1/250

 α7RII + FE50mmF1.8, ISO160, F1.8, 1/250

α7RII + FE50mmF1.8, ISO160, F1.8, 1/250

 α7RII + FE55mmF1.8ZA, ISO125, F1.8, 1/250

α7RII + FE55mmF1.8ZA, ISO125, F1.8, 1/250

というわけで日常的な撮影場面でボケ量が決定的な差をもたらすことはないと思う。

 

50mmF2.5でも標準レンズとしては十分にボケてくれるので、ボケを求めてF1.8を選ぶ意味は薄い気がする。実用を考えるとAFが速く、寄れて、コンパクトなFE50mmF2.5Gがおすすめ。