fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

オリンパスC-AFのレンズで春の光を写す

AF、シャッター不動のコンパクトカメラを分解していたら破損させてしまったためレンズを取り出すことに。

これを一眼デジカメに装着できるように加工する。

加工と言ってもヘリコイドアダプターにテープで固定するだけ。しかしこれで十分撮影できるから問題ない。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/160秒

カメラを持って外に出ると、川辺で菜の花が咲いていた。

そしてその後ろにはツルニチニチソウの花。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/100秒

きれいにボケるレンズだ。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/640秒

フレアやゴーストが盛大に出るが、日差しの眩しさが感じられてこれもまた良い。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/160秒

シャボン玉のようなゴースト。

レンズの上に手をかざして余分な光をカットしてやれば消える。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/125秒

虹も出る。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/400秒

これも手をかざせば消えるが、

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/250秒

どうせなら虹のかかるレンズとして楽しみたい。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/400秒

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/1000秒

四隅のピントの甘さもあって、いい感じにボケてくれるから何気ない風景も印象的に。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/640秒

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/1250秒

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/320秒

「オールドレンズらしい淡い描写」と書きそうになったが、淡いのは色褪せたビートルだった。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/2000秒

逆光でのオールドレンズらしい描写とは異なり順光ではキリッと写る。

中央部切り出し

中央部のキレは最近のレンズと変わりない。

α1 + D.Zuiko38mmF2.8   ISO 100, F2.8, 1/250秒

川面に映る太陽を入れて。気温はまだ低いが景色はすっかり春だった。

 

今週のお題「小さい春みつけた」

書道の水滴

何だかよく分からないが形が気に入ったから落札した品。書道で硯に水を差すのに使う水滴というものらしい。水滴自体は古くからあって骨董品としても人気があるようだが、この品は多分それほど古いものではないだろう。あまり時代を感じない。

所々見られる金属的な光沢が良い。

無造作に付けられた感漂う取っ手。

入手したものの、使い道がない。

ハンダゴテのスポンジクリーナーを濡らすために使ってみた。

なかなかいい感じで「よし、これで決まりだな」と思ったものの、

私がよく使うのはワイヤークリーナーの方で、スポンジはほとんど使わないことを思い出した。

ハンダゴテとクリーナーについて知りたい方は下記サイトを。分かりやすい解説がありました。

こて台とこて先| ハンダごての選び方| 始める電子工作

 

使い道はないが、小さくて場所を取らないから飾りとして置いておいてもいいかなと思っている。

撮影に使用した機材はEOS M3とEF-M28mmF3.5MACRO

KOMURANON925 レンズを落とす

先日ada_6さんのブログで90-250のコムラーを見て、同じレンズかなと思って見てみたら形が少し違っていた。

三協光機の望遠ズームレンズコムラノン925。コムラー925より少し後の製品になるらしい。

このレンズをα7R2に付けて撮影した写真があったので紹介したい。

α7RM2 + KOMURANON925  ISO4000, 1/250秒, F8

焦点距離は記録していなかったので、それぞれの写真がどこまでズームしたものかは不明。

まあ何となくは分かる。多分↑は望遠端で↓は中域。

α7RM2 + KOMURANON925  ISO1600, 1/250秒, F4.5

↓これは望遠端250mm。

α7RM2 + KOMURANON925  ISO160, 1/250秒, F4.5

α7RM2 + KOMURANON925  ISO6400, 1/250秒, F4.5

これは猫。

α7RM2 + KOMURANON925  ISO10000, 1/250秒, F4.5

α7RM2 + KOMURANON925  ISO2500, 1/250秒, F8

光の状況によってはそこそこコントラストは出る感じ。

α7RM2 + KOMURANON925  ISO320, 1/250秒, F4.5

α7RM2 + KOMURANON925  ISO320, 1/250秒, F4.5

今はなきジャズスポットアドリブ。この看板好きだったのに残念ながらもうない。

この写真を撮影した後に、レンズを落としてしまった。

レンズを落としたのは初めてだった。

なぜ落としてしまったのかというと、カメラをしまう際にレンズのマウントアダプター部を握ってしまい、

↑このロック解除ボタンを押してしまったらしい。レンズがするっと外れた。

不用意に触れた私が悪いのだが、押しボタン式は危ないなと思った。

右のようなレバーをスライドさせてロック解除する方式の方がいい。

なお、落としてマウントを破損させてしまったレンズも光学系への影響は軽微だったようで、その後も変わらぬ画質で撮影できた。

α7RM2 + KOMURANON925  ISO1000, 1/250秒, F4.5

まだまだ使えるレンズだったのに申し訳ないことをした。

アンティーク木箱

ヤフオクで落札したアンティークな箱。出品写真だけでも良い品と分かり競合必至と思ったが、他に入札者はなく開始価格500円で落札できた。

木箱の製法に詳しくはないが、ひと手間ふた手間かかっているのは分かる。

木目も揃っている。

底も丁寧に塗られている。

この模様と、微かな光沢が上品で良い。

古さは感じるが状態は非常に良い。大切に使われてきたことが伝わる。

前の持ち主はこの箱に何を入れていたのだろう。

私は筆記用具や謎の文鎮などを入れている。

ヤフオクではこういう良い物が捨て値で次々流れていく。落札者がいない品もたくさんある。

良い物でも活用できなければ場所を取るだけだから仕方ない。私も色々捨てる。

捨てるにしろ使うにしろ、作り手が込めた意匠は読み取っておきたいと思っている。

野良猫の耳カット

Olympus C8080   ISO50, 1/80秒, F3.5, 35.6mm

先日の記事のコメント欄でLeila (id:LeilaF)さんと野良猫の耳カットについてやりとりした。

これは野良猫に不妊去勢手術を施した際に付ける印なのだが、ご存知ない方も多いかもしれない。

私も野良猫撮影をし始めた頃は猫同士のケンカで付いた傷だと思っていた。

NEX-5 + レンズ不明   ISO200, 1/80秒, F値不明

痛々しいと感じてしまうが、それは問題に関与しない傍観者である私の単純な感想に過ぎず、現実は複雑だ。

inuneko-fukushi.or.jp

猫好きの人たちが猫の幸福を願って奔走し、社会との調整を経て辿り着いた結論だから間違いなくこれは一つの解である。

皆かわいがられて幸せそうに生きている。

X-A3 + XC50-230mmF4.5-6.7OIS   ISO320, 1/60秒, F6.4, 171.6mm

私が撮影してきた猫の耳カットにはいくつか種類があった。これはVカット。

*ist DS2 + K135mmF2.5   ISO200, 1/90秒, F2.5

NEX-5 + E18-55mmF3.5-5.6OSS   ISO1600, 1/50秒, F5.6, 55mm

控えめなカット。パッと見では分からないが寄って見ると

ごくわずかにカットされている

*ist DS2 + FA50mmF1.4   ISO200, 1/750秒, F3.5, 50mm

ピアス

昔はこういうピアスを付けた猫もいた。外れてしまったり感染症にかかったりするリスクがあったのか、これは広まらなかった。

Huawei P30Pro   ISO50, 1/1900秒, F4.0, 5.56mm

Vカットか?

Huawei P30Pro   ISO50, 1/100秒, F3.4, 14.46mm

人の言葉を発しそうな雰囲気の猫だった。

*ist DS2 + DA18-55mmF3.5-5.6AL   ISO200, 1/90秒, F5.6, 55mm

水平カット。

DSC-RX0   ISO5000, 1/500秒, F4.0

これは怪我かな。さすがに。

α1 + 30mmF1.4DC DN   ISO12800, 1/100秒, F1.4, トリミング

Vカットのイケメン猫。

最近は本当に野良猫が少なくなった。

じきに耳カットされた猫を見かけることもなくなるのだろう。

Carl Zeiss Jena Tessar 1:8 f=2.8cm ブラックニッケル

コンタックス用の広角レンズ、カールツァイスイエナのテッサー2.8cmF8。『コンタックスのすべて』によると1933年製造開始。この個体はシリアルナンバーから1935年製と思われる。

3群4枚構成の薄いレンズ。

当時の価格は115RM(ライヒスマルク)。50mmテッサーのF3.5とF2.8の2本に次いで安いレンズだった。ちなみに50mmF1.5ゾナーは300RM。

以前も引用させてもらった、ドイツ史が専門のHarold Marcuse教授のウェブサイトによれば1935年当時のUSドルとライヒスマルクの交換レートは1USD=2.48RM(年間平均)とのこと。115RMはUS$46くらいになる。

https://marcuse.faculty.history.ucsb.edu/projects/currency.htm

インフレ計算機によると1935年のUS$46は現在のUS$1,000くらいだそうだから、

https://stats.bls.gov/data/inflation_calculator.htm

ラインナップ中、三番目に安価だったこのレンズも十分に高級品だったということ。

性能は小さいレンズにしては良いと思う。と言ってもマウントアダプター経由のデジカメでしか使っていないから正確なことは分からない。デジカメだと周辺描写が乱れる場合が多いから、本当はフィルムカメラ用レンズのテストには向いていないのだ。このレンズはいずれフィルムカメラでも試してみたいと思う。今回掲載する写真はすべてデジタル一眼に装着して撮影したものである。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/160

開放のF8でボケボケだった周辺はF22、F32まで絞れば改善するが、さすがにこれだけ絞ると中央の解像力が落ちる。フィルムならそこまで絞らなくてもF11あたりで四隅まで安定しそうな気はする。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO800, F8, 1/125

歪曲はあるが大きくはない。建物を撮影しても気にならないレベルだろう。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/160

近接撮影は得意かもしれない。意外とキレがある。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO500, F8, 1/125

でも、すぐにフレアが出てふんわり描写になるから、やはり昔のレンズだなと思う。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO3200, F8, 1/125

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/125

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/125

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO2000, F8, 1/125

趣きのある古い家が次々と消えていくから寂しい。こういった場所も気付くとマンションになっている。しかし百年後の世界で未来の写真愛好家たちが味のある旧式建築物としてマンション撮影している姿を想像すると、まあ。

α1 + Tessar2.8cmF8   ISO100, F8, 1/125

百年後もこの空は同じように撮影できるだろう。

12年前のデジカメG1Xは今でも使えるか?

2012年3月発売のキヤノンのコンパクトデジタルカメラPowerShot G1X。

15-60mm(換算28-112mm)のズームレンズ搭載

センサー面積がフォーサーズ以上ということで私の中では高評価のデジカメ。

ひと昔前の製品だが、今でも使える性能を持っているだろうか。

1ヶ月ほど持ち歩いてみたので、その感想を書き記したい。

G1X  ISO100, 1/800秒, F5.0, 33mm

画質はまったく問題ない。画素数は1,400万画素と今の基準からすると少なめだが、それで困る場面はないと思う。

私のようにブログにアップするぐらいしか写真の使い道がない人なら500万画素、いや200万画素でも十分だ。

G1X  ISO100, 1/15秒, F5.6, 50mm

猫だって撮れる。

中央部切り出し

↑ピントが合えばこんなにキレの良い画質。

G1X  ISO100, 1/10秒, F5.6, 50mm

ただ、オートフォーカスがちょっとあれでピントが結構抜ける。

G1X  ISO100, 1/800秒, F5.6, 52mm

春だなあ、とモクレンの蕾をズームしたが……

G1X  ISO100, 1/640秒, F5.8, 60mm

何度AFを繰り返しても手前の蕾にピントが合ってくれない。

マニュアルフォーカスに切り替えれば合わせられないこともないのだが、できればAFで合わせてほしい。

G1X  ISO100, 1/320秒, F6.3, 15mm

画質は良い。

G1X  ISO100, 1/20秒, F6.3, 26mm

G1X  ISO100, 1/320秒, F5.6, 28mm

あちらこちらに春を感じる。

G1X  ISO100, 1/160秒, F5.8, 60mm

センサー面積が大きいからボケも得やすい。構図を意識しなくても自然にボケてくれる。

ドロドロに溶ける必要はないのだが、やはりある程度ボケてくれると助かる。全域にピントが合ってしまうカメラは難しい。

G1X  ISO800, 1/40秒, F2.8, 15mm

高感度撮影もいける。

G1X  ISO1600, 1/13秒, F5.6, 40mm

ISO1600でもノイズは気にならないし色も失われない。

切り出し

今でも実用十分な性能を持っているデジカメである。

ボディもしっかりしていて昔の金属カメラのような重厚感がある。

バリアングルモニタはしゃがみ込んでの猫撮影に良い。

バリアングルモニタ

オートフォーカス性能だけが時代を感じるところで、ここが気にならなければ大変良いカメラと言える。