これら4機種に画質の差はどのくらいあるだろうか。画素数が違うので比較しようのない側面もあるかと思うが、高感度ノイズや周辺描写の差など比べられる所もあると思う。またα9と7IIは同画素数なのでこの2機種に関してはより比較しやすいだろう。
結果を先に書いてしまうと、高感度と周辺減光の二点で7IIとそれ以外の機種で差が見られた。高感度領域では特にISO25600の比較で明らかに7IIのみノイズが多かった。周辺減光はフィルムカメラ用の超広角レンズ(UWH12mm)を使用した際に見られる限定された現象だが7IIのみ低下量が僅かながら大きい。
個人的にはそれ以外では大差ないという印象(もちろん画素数の差はあるがそれを除くと)。
ではまず低感度、日中の撮影結果について。レンズはコシナフォクトレンダーの12mm二型。
α7II + UltraWideHeliar 12mmF5.6 F5.6 1/250 ISO100
α7SII + UltraWideHeliar 12mmF5.6 F5.6 1/250 ISO100
α7RII + UltraWideHeliar 12mmF5.6 F5.6 1/250 ISO100
α9 + UltraWideHeliar 12mmF5.6 F5.6 1/250 ISO100
個別に見ても分かりにくいと思うので、gifアニメーションにしてみた。
左上の部分を見ると、7IIだけ僅かに落ち込みが大きいように見える。と言ってもこうやって並べてみて初めて分かる程度で、単独で見ればまったく気にならないし、そもそもデジタル専用のレンズを使えばこの現象に遭うこともないから一般的には何の問題もない。マウントアダプターでフィルム時代のレンズを使う人は気に留めておいても良いという程度の情報だろう(減光も味と考える人ならまったく気にしなくて良い)。
次に高感度領域でのノイズ量。ISO12800まではそれほど差がないように感じられるがISO25600までいくと一目瞭然となる。
α7II + FE50mmF2.8Macro F8.0 1/50 ISO25600α9 + FE50mmF2.8Macro F8.0 1/40 ISO25600
α7SII + FE50mmF2.8Macro F8.0 1/60 ISO25600
α7RII + FE50mmF2.8Macro F8.0 1/50 ISO25600
一目瞭然と書いたが、このサイズだと分からないかもしれないのでピクセル等倍に切り出した画像も掲載する。上から7II、9、7SII、7RII。
α7II ISO25600
α9 ISO25600
α7SII ISO25600
α7RII ISO25600
7IIと9は画素数が同じなので比較しやすいと思うが、見ての通り7IIは明らかにノイズが多い。しかしこの大きな差は超高感度領域に限った話で、例えばISO6400だと…
上が7IIで下が9。もちろん下の写真、α9の方が低ノイズではあるものの ISO25600の写真ほど大きな違いはないことが分かると思う。
これからフルサイズαを買おうとしていてどれにしようか迷っている場合、ISO10000超えの高感度領域を多用するなら7RII、7SII、9を選ぶべきだが、6400程度までで十分という撮影スタイルの人にとっては7IIでも十二分な画質が得られると思う。
もちろんこれはあくまで画質に限った話で、サイレントシャッターや高速AF、高速連写といった機能が必要なら7II以外を選ばないといけない。