ドイツが東西に分裂していた頃の西側カールツァイス製ゾナー。このレンズの銘板にはZeiss-Optonと刻まれているが、これは西ドイツツァイスがCarl Zeissを名乗る前の社名(Zeiss-Opton Optische Werke Oberkochen GmbH)。個人的にはZeiss-Opton銘の方がCarl Zeissよりかっこよく見えて好きだ。
α9にアダプター経由で装着
中心部の描写だけならこのオプトンゾナーも結構良いが、周辺描写は雲泥の差になる(デジカメで使った場合)。現代のレンズは開放絞りでも隅々まできっちり写るが、昔のレンズ、特にレンジファインダーカメラ用のレンズは周辺が厳しい。
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/8000
中心部のピクセル等倍切り出し。もやっとはしているものの意外と細かいところまで写せている。
左端の切り出し。フィルムだったら流れずにもう少し良く写るかもしれない。とりあえずα7RIIではこんな感じ。
ちなみにソニーゾナー55mmF1.8で同じ景色を撮った場合、開放絞りでも……
これだけ写る。これが中心ではなく端の描写だから恐ろしい。なお焦点距離のわずかな違いにより写っている範囲が微妙にずれている点と、別の日の撮影なので被写体に当たる光の加減が違う点はご容赦いただきたい。
オプトンゾナーも絞れば結構改善する。
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO125 F11 1/250
中央部分はモヤもなくなり精細な描写となる。
周辺もピクセル等倍で鑑賞できるほどに改善。それでもソニーゾナーの開放にも敵わないのだが、そこは大きさも違うし時代も違うから仕方ない。むしろ今から6、70年前に作られたこの小ぢんまりとしたレンズで、ここまで写るのは驚異的と言えるだろう。
まあそもそも性能を求めるだけならわざわざ古いレンズを持ち出す必要はない。
レンジファインダーカメラのレンズはどれも小さく精巧で工芸品のような趣がある。
無骨な黒いレンズも悪くはないが、やはりこの銀の輝きが良い。小さい割にズシリと重いのも良い。
もちろん物としての良さだけではなく、その独特な写りにも魅力がある。
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/1250
中心部分の切り出し。絞り開放時の甘さは、遠くの景色を写した時には単にもやっとした印象を与えるだけだったが、こうして被写体が変われば幻想的な雰囲気の演出にもなる。
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/1600
にじみが出るレンズはこういう強い光を受けている輝度差の高い被写体に向けるとその威力を発揮する。
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/400
単にシャープに写るだけのレンズよりも味があって、どうやってこれを活かそうかと考えるのも楽しい。
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO160 F1.5 1/250
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/250
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/1000
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/500
α7RII + Zeiss-Opton Sonnar50mmF1.5 ISO100 F1.5 1/1000
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キャップ無しで入手する場合が多いと思う。FE35mmF2.8に付属している40.5mmのキャップがちょうどよく使える。