fortia’s カメラレビュー

カメラと猫と骨董品

故障した1NIKKOR32mmF1.2を修理に出した記録

以前紹介したこのレンズ、記事をアップロードした数日後に故障していることに気付いた。ライブビュー画像が常にノイズまみれで、絞りを開放に設定しているのに被写界深度がパンフォーカスのように深くなっていた。

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レンズを前から覗いてみると絞り羽根が上の写真のような状態で固定されてしまっていて、絞り値を変えても撮影モードを変えても何をしても微動だにしなかった。絞り制御機構が故障してしまったようだ。開放で固定されるならまだしも最大絞りで固定されてしまうと使いようがない。

電子制御の現代レンズは分解してどうにかなるものでもないので、おとなしくニコンに修理を依頼した。

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ニコンプラザ銀座 10月に閉鎖されたらしいので今はもうないはず

数年前に訪れた時は年配のいかにもカメラに詳しそうな方々がサービスセンターにいらっしゃったが、今回はスタッフが全体的に若返っていた。

最初に提示された見積額は5万円台と、中古での買い直しが視野に入ってくる金額だったのでお断りしようかと思ったが、工場に送って実際の修理担当者が見れば変わるかもしれないとのことで預けることにした。なお、この「修理担当者に見積りを出してもらう」ためには見積費として千円かかる。

この手続きを踏まないと「〇〇円以上かかるなら修理しないで欲しい」という要望は通せないそうなので要注意。

預けた二日後くらいに電話が掛かって来て「2万円で済みます」とのことだったので修理をお願いした。そしてそこから一週間経たずに修理完了して戻ってきた。仕事が早い。

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修理内容は絞りユニットの交換で、かかった費用の内訳は部品代3,000円、工賃14,700円、修理見積費1,000円と消費税の合計でほぼ2万円だった。お安く修理してもらえて良かった。

Biogon T*2/35 ZM をLeitz minolta CLで

f:id:fortia:20201123193910j:plainコシナ製のMマウント(ZM)レンズ、ビオゴン35mmF2をライツミノルタCLに装着。ライツとミノルタカールツァイスが同居する不思議な組み合わせ。

随分前に入手したものの、使う予定もなく防湿庫に鎮座するだけの存在だったこのレンズ。前回21mmF4.5ビオゴンをフィルムカメラで使ったところ意外と楽しめたので、このレンズもフィルムカメラで使ってみることにした。

f:id:fortia:20201123200026j:plain 銀と黒の組み合わせも悪くない。

ところで、使う予定もないレンズをなぜ入手したのか気になる人がいるかもしれない。その理由は次の図を見てもらえば分かるだろう。

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ZEISS社ウェブサイト掲載のデータシートより

ゼロディストーションと言っていいのではないだろうか。歪曲が少ないと言われるビオゴンタイプの中でもこのレンズは特別だ。ZMシリーズにはオリジナルビオゴンに似せたレンズ構成の35mmF2.8もあるが、そちらはデーターシート上の歪曲収差がこのレンズより大きい。

そういう意味でこのレンズはオリジナルよりもビオゴンらしいビオゴンと言えるのではないかと私は思っている。

機材マニア的な動機としてはこれだけで十分である。実際にどう写るかとか、歪曲ゼロが実用上どれだけの意味を持つのかといった些事に囚われることはない。

同じ理由でホロゴン16mmも防湿庫に眠っている。

 

それではまずいつもの写真を。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2

中央部を拡大。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2 中央部拡大

ちょっとゆるい気がする。シャッターが1/1000までしかないので露出はオーバー気味になってしまっているのだが、このゆるさはそれ以前の問題のように見える。

このレンズをα7RIIに付けて同じ時間帯に同じ場所から撮影した写真と比べてみる。

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α7RII + Biogon35mmF2ZM,  ISO100,  1/2000,  F2

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α7RII + Biogon35mmF2ZM,  ISO100,  1/2000,  F2 中央部拡大

しっかり解像しているからレンズの性能に問題があるわけではなさそうだ。

レンズの無限遠が出ていないのかと思い、リコーのGXR A12に装着して確認してみたが、そちらも問題ない。ちゃんとレンズを回し切ったところで遠景にピントが来る。オーバーインフでもない。

一連のフィルムに写る他の写真では細部まで解像しているのでフィルムの問題でもない。

この撮影の時にたまたまピントリングを回し切れていなかったのかもしれない。それ以外はちょっと思い当たらない。いずれまた撮り直して検証してみたいと思う。

周辺描写

このレンズはフィルムカメラで使う場合は絞り開放でも周辺部の描写は安定している。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2   写真左上部分拡大

デジタルカメラで使うと流れてしまう。

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α7RII + Biogon35mmF2ZM,  ISO100,  1/2000,  F2    写真左上部分拡大

 

作例

撮影ごとに記録した絞りとシャッタースピードのメモがあるので、記載した値は概ね正しいはず。

サルビア

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.8

Distortion biogon35mmF2ZM

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/500,  F2.0

歪曲なし。撮影時に僅かに傾いてしまったが、手持ち撮影ではこの辺が限界だろう。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

絞り開放では少しハロをまとうような柔らかい描写。開放からパキパキというレンズではない。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

レンジファインダーは撮影時にボケ量が確認できないのが難しい。この写真はいい具合にボケてくれてマリンタワーの輪郭もなんとか残った。

左右のパーフォレーションが残っているのもいいなと思い、この写真では切り抜かずにそのままにした。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

35mmなのでボケ量は多くないが、柔らかく形が残りながらボケていく感じが良い。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

神奈川県庁近くのCJ CAFE。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

地面スレスレからファインダーを見ずに撮影。奥にも猫じゃらしがあってそれが光に透けてきれいな背景になるんじゃないかと思って撮影したが、強烈な太陽光で消えてしまった。仮に写っていたとしても想像していた構図と違うので残念でもない。運任せの写真は見るまでの期待があって楽しい。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/250,  F8.0

逆光は苦にしない。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F2.0

この写真は虹が出てしまった。しかし総じて逆光に強くフレアーで画面全体のコントラストが低下してしまうような写真はなかった。すべての場面でレンズフードは付けていない。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F4.0

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6

玉ボケを作りたかったのだが、シャッタースピードの上限1/1000に阻まれ絞りを開けられなかった。NDフィルターを持っていくべきだった。でも正直なところ撮影中のフィルター着脱は面倒なのでHexarRFの入手が望まれる。

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6 中央右拡大

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Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/1000,  F5.6

夕焼けと富士山

Leitz minolta CL + Biogon35mmF2ZM,   PROVIA100F,  1/125,  F2.8

良いレンズであった。しかしこうして撮影した写真を並べてみると歪曲ゼロが生きている写真がタイルを写した写真以外に一枚もないので、私の場合はやはりこのスペックは宝の持ち腐れになってしまうようである。

f:id:fortia:20201206145141j:plainライツミノルタCLはとても良いカメラ。機能的な面でHexarが欲しいところだが、このデザインは捨てがたい。外装の仕上げも美しい。他のMマウントカメラに比べるとなぜか人気がないので割安に入手できる。

 

10年間室温放置したポジフィルムの現像結果

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部屋の整理中に出てきたフィルムを現像に出してみたらこのようになっていた。収められている景色を眺めてもいつ撮ったものだか皆目見当がつかない。

家並みに注意してみたところ、11年前に建った家は写っているが10年前に建った家が写っておらず空き地になっているので大体そのくらいと判断した。

冷蔵庫に入れておけばこんな状態にはならなかったのかもしれない。緑色にかぶってしまったのは、おそらく高温多湿の夏を幾度も越えてきたせいだろう。

f:id:fortia:20201108202809j:plain画像処理により色かぶりの影響は気休め程度に軽減できる。

使用したカメラはもちろん覚えていない。傾いている写真が多いので、レンジファインダーカメラだと思う。レンズはかなりの広角。太陽の光芒が10本なので10枚羽根のレンズだと判断できる。自分が使っていたレンズの中で該当するのはスーパーワイドヘリアー15mm。このレンズはBESSA R3Aで使っていた。当時はコンパクトな初期型を使っていた。

f:id:fortia:20201108205125j:plain江島神社江ノ島には行ったが、この神社を写真に収めた記憶がない。

f:id:fortia:20201108212634j:plain龍恋の鐘。ここも行った記憶がない。

f:id:fortia:20201108212205j:plainこれは近所の桜並木。

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普通、10年前の写真を見れば色々懐かしくなったり記憶が呼び覚まされたりすると思うのだが、記憶は戻らないし、そもそも被写体が10年前からまったく変わっていないから、最近の写真だか昔の写真だかすら分からない始末。正直なところ現像する必要なかったなと思う。しかしまあ何が写っているか分からないまま処分するのも気が引けるから、結局現像するしか道はなかったのだろう。

フィルムの長期室温放置は避けましょう。

フィルムカメラで使う Biogon 1:4.5 f=21㎜

Biogon21mmF4.5 TREBI100C

前回デジカメで使用したビオゴン21mmをContax IIaに取り付けて撮影してきた。使用したフィルムは廃番になって久しいトレビ。使用期限を10年過ぎていたものの購入以来ずっと冷凍庫に保管(放置)していたため特に劣化もせず問題なく現像できた。

デジタル化するにあたりコニカミノルタの古いフィルムスキャナdimage dual4を引っ張り出してきたが、どうもピントが来ないのでニコンのスライドコピーアダプターES-1とα7RII + FE50mmMacroを使用した。

Nikon ES-1この方が微妙なピント調整も可能な上、高解像度で取り込める。ただ、うまく撮影できなかったコマもあったので、それはdual4で取り込んだ。dual4を使用した写真にはその旨記載してある。記載ないものはα7RIIとES-1。

それでは早速撮影結果を。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaContax IIa + Biogon 21mmF4.5  TREBI100C  絞りF4.5で撮影

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
真ん中付近を拡大。細かいところまでしっかり描写されている。ビオゴンもすばらしいが、リバーサルフィルムの解像力もすばらしい。

さらに驚いたのは絞り開放から周辺描写が大変安定していること。Biogon21mmF4.5 Contax IIaContax IIa + Biogon 21mmF4.5  TREBI100C  絞りF4.5で撮影

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F4.5でもまったく崩れていない。

↓デジタルで撮影した時はF16まで絞らないと安定しなかった。

Biogon21mmF4.5 A7RII
やはりこのレンズはフィルムで使ってこそである。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5, 1/500
写真の右下部分を拡大。しっかり解像している。Biogon21mmF4.5 Contax IIa

夜景を絞り開放で。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5,  8秒

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
本当に絞る必要のないレンズだなと。

 

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5,  1/250

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF11,  1/1250
厳しい逆光条件でもゴーストが少し発生するくらいで済んでいる。α7RIIで使った時も逆光には強かったが、フィルムだと更に優秀な印象。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF8,  1/100,  Dimage Scan Dual IV
対称型レンズの特長で歪曲はない。これに関してはデジカメ使用時と同じ。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5,  1/100,  Dimage Scan Dual IV

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF8,  1/100,  Dimage Scan Dual IV
露出オーバー。今回の撮影ではスマホの露出計アプリを使ったりRX100を使って露出の確認をしたりしていたのだが、この時はそれを忘れて前の設定のまま撮影してしまった。

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F4.5,  1/250

出来上がったフィルムを取り込んでみて、このレンズの本来の性能を知った。また、リバーサルフィルム自体の魅力も再確認しフィルムカメラの良さを改めて思い知ることにもなった。ビオゴン35mmやゾナーもフィルムで使ってみたいと思う。

とは言え、フィルムカメラにはフィルムカメラなりの難しさもあった。まあこれはフィルムカメラの問題というよりレンジファインダーカメラの問題なのだが……厳密な構図の追求が難しい。

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F8,  1/250

この写真にはちょっと嘘があって、本当は下の写真のように画面を横に走る直線が右側に向かって収束する形になっている。上の写真はこの収束する直線が平行になるようにLightroomで補正した結果だ。

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被写体と撮像面の平行が完全に維持されていないと、この写真のようにパースがついてしまう。デジカメや一眼レフならば実際に写る範囲を確認できるから、こうした問題も回避できるのだがレンジファインダーカメラでは難しい。三脚を立てればもう少し追い込めるかもしれないが人通りの多い街中では憚られる。

次の三枚も補正済み。

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F8  1/500

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
F8  1/100

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF8  1/100

下は補正前。Biogon21mmF4.5 Contax IIa

これだけミスを犯しても補正すれば何とかなってしまうわけで、デジタル化を前提にするならば構図にそこまで気を使わなくても良いかもしれない。もちろん補正しないで済むに越したことはないのだが、街中であんまり長時間カメラ構えていると昨今あれなので。

 

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5  1/250

Biogon21mmF4.5 Contax IIa
レンジファインダーカメラは二重像合致によるピント合わせとなり、デジカメの拡大ライブビューのような精密さは期待できない。しかし撮影した結果を見ると十分な精度だった。

Biogon21mmF4.5 Contax IIaF4.5  1/1250

Biogon21mmF4.5 Contax IIa

さすがコンタックスといったところだろうか。

Contax IIa + Biogon21mmF4.5

医学におけるペニシリンの発見、航空工学におけるジェットエンジンの実現と並び称されたビオゴン21mmF4.5は、その評価にたがわぬ高性能レンズだった。

※『コンタックスのすべて』より。アメリカの写真家マーティンシュナイダーの言葉だそうだ。↓この方かな。

Martin Schneider (born September 23, 1926), American filmmaker, Photographer, writer | prabook.com

 

Nikon スライドコピーアダプター ES-1

Nikon スライドコピーアダプター ES-1

  • 発売日: 1989/08/01
  • メディア: 付属品
 

Carl Zeiss Biogon 1:4.5 f=21㎜

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1953年10月に発売されたコンタックス用広角レンズ。35mm判カメラでこの画角(対角90度)のレンズは世界初だったらしい (クッツ著『コンタックスのすべて』)

フジのXF14mmやシグマのDP0といった21mm相当のレンズが好きだったので、その始祖とも言えるビオゴン21mmはいつか手に入れたいと思っていた。ただ、数が少ないのかあまり出回らず、出ても高額になってしまうのでなかなか機会がなかった。

先日、状態の良さそうなものがファインダー付で6.5万くらいで出品されていたので入札してみたところ競り合いになることもなく落札できた。ものすごく安いわけでもないが、コシナ復刻版の中古価格と同じくらいだから歴史の重みを加味すれば十分割安と言えるのではないだろうか。そう自分に言い聞かせてこの散財の正当化を図っている。ちなみにオリジナルと復刻版のレンズ構成は同一ではない。

まずオリジナルビオゴン21mmF4.5のレンズ構成図。クッツの本に載っていた図を元に描いた。

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そしてコシナの復刻ビオゴンのレンズ構成。出典はツァイスのサイトに公開されているデータシート。

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https://www.zeiss.nl/content/dam/camera-lenses/files/service/download-center/datasheets/historical-lenses/zm-lenses/datasheet-zeiss-zm-c-biogon-4521-en.pdf

素人目には随分異なっているように見えるが、光学的には似たような構成になるようだ。以前あったコシナのサイトの商品説明には「レンズ構成を継承した」と記載されていた。

性能はコシナの方が優秀なようだが、オリジナルの方はいかにも対称型というレンズ配置でマニア心をくすぐる。

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マウントアダプターでアルファに装着。

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F値の違いによる解像力の比較(遠景)。

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/f/fortia/20200829/20200829190356.jpg

中央部は開放から十分。周辺もF8くらいから安定してくる。F22まで絞れば画面全域で安定する(が中央部は小絞りボケでやや解像力低下)。

デジタルカメラと相性の悪いビオゴンだから周辺部はもっとボロボロになるかと思っていたが意外と健闘している。これなら懐古趣味の為だけではなく広角レンズとして普通に使うこともできそうだ。

 

対称型なので歪曲収差は少ない。

f:id:fortia:20200829122209j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO320  F11  1/250

f:id:fortia:20200829185815j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO1250  F11  1/250

f:id:fortia:20200829141009j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO100  F4.5  1/800

DP0のようにゼロディストーションを謳っても文句は出ないだろう。

 

f:id:fortia:20200829143116j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO800  F16  1/250

基本的にコントラストの高い写りで逆光にも強い。

f:id:fortia:20200829143346j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO200  F11  1/250

f:id:fortia:20200829143842j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO125  F4.5  1/250

ヒマワリもうなだれるほどの暑さ。

f:id:fortia:20200829145054j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO100  F4.5  1/250

21mmのレンズにボケを期待する人はあまりいないかもしれないが、撮影した写真を改めて眺めていると背景がきれいなボケ方をしていることに気付いた。

f:id:fortia:20200829144505j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO200  F4.5  1/250

f:id:fortia:20200829192147j:plainα7SII + Biogon21mmF4.5   ISO100  F5  1/125

決してうるさくならず滑らかにボケる。ボケにはまったく期待していなかったからこれには驚いた。

 

f:id:fortia:20200829144228j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO100  F4.5  1/640

中央部付近を拡大。

f:id:fortia:20200829144240j:plain

中央付近は本当によく写る。開放でも滲むことなくクッキリ。

f:id:fortia:20200829152815j:plainα7RII + Biogon21mmF4.5   ISO100  F4.5  1/500
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次はコンタックスに付けてフィルムで撮影する予定。

f:id:fortia:20200829201749j:plainα7SII + Biogon21mmF4.5   ISO200  F4.5  1/250

 

↓2020年9月にフィルムカメラでの作例をアップロードしました。


 

1 NIKKOR 32mm 1:1.2

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写真がたまったらブログに書こうと思いつつ大して使用しないまま時は過ぎ、気付いた時には終わっていたニコワン。V1をはじめて外に持ち出した日、モードダイヤルが意図せず回ったりシューカバーが何度も落ちたりするあれを経験し、こういう未来を想像しないわけではなかったがそれでももう少し続くと信じていた。今思えば予定されていたマクロがいつまで経っても出なかった事実をもっと重く受け止めるべきだったのだろう。

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色々不評だったV1だが、私はこの見た目が結構気に入っている。特に白は陶器のような質感が良い。銀の32mmレンズともよく合っている。

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確かこの32mmはシリーズの象徴的なレンズだったように記憶している。

黒と銀があるが、銀の方がいかにも高級レンズといった佇まいでおすすめ。と言っても販売終了しているが。

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/1250, ISO160

35mm判換算で85mmのポートレートレンズなのでボケはきれい。なおここに掲載する作例の多くはJ5との組み合わせで撮影したものになる。V1は主に観賞用。

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/1000, ISO160

実際の焦点距離は32mmだから開放絞りのF1.2でも背景が溶けてしまうようなボケは期待できない。逆に言えばボケすぎる心配がないので常に開放で撮影しても大丈夫。

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/1600, ISO160

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F2.8, 1/800, ISO160 ↑これはF2.8で撮影した例。小さな紫詰草にかなり接近して撮影。最短撮影距離は45cm。

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/6400, ISO160

 

F値によるボケの形の違い。 

f:id:fortia:20200724115923j:plainF1.2

f:id:fortia:20200724115938j:plainF1.6

f:id:fortia:20200724115948j:plainF2.2 この辺りからボケに角が見え始める。

f:id:fortia:20200724120011j:plainF2.8

f:id:fortia:20200724120023j:plainF4

 

Nikon1 V1 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/1600, ISO100

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/500, ISO360この猫はいつも舌を出していた。

Nikon1 V1 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/6400, ISO100

f:id:fortia:20200724120857j:plain中央部拡大。絞り開放でも鋭い描写。

Nikon1 V1 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/60, ISO200宙を見上げる猫。視線の先には窓から餌を投げてくれるビル住人の姿が。さすがに今はそのダイナミックな餌やりの光景も目にしなくなった。

Nikon1 V1 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/400, ISO100

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/2000, ISO160

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/1000, ISO160ストレッチ。

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F2.0, 1/500, ISO220

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F2.8, 1/1000, ISO200

上の二つの写真は暗部の持ち上げとコントラスト強調の加工を施している。

Nikon1 J5 + 1Nikkor32mmF1.2, F1.2, 1/500, ISO560

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V3に装着した姿。黒のV3には黒レンズの方が良いかも。

 

広島旅行の写真

去年広島行った時に撮影した写真、夜の鞆の浦 、曇天の鞆の浦、

日本銀行旧広島支店の続き。使用カメラはα9とα7IIとスマホのP30 Pro、レンズはSEL35F14ZとコシナのHeliarHyperWide10mmF5.6の二つ。

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広島大学旧理学部一号館。良い建物だった。できれば中も見てみたい。撮影に使用したレンズはHeliar Hyper-wide10mmF5.6。

A7SII + Heliar10mmF5.6,  1/30, ISO125

安楽寺の銀杏。ここ数年横浜ではきれいに色づいた銀杏を見かけなくなっていたので、久しぶりに良い黄葉を見た気がした。

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/1600, ISO100

A9 + SEL35F14Z,  F2.8, 1/125, ISO160

A9 + SEL35F14Z,  F4.0, 1/125, ISO200

IMG_20191124_141446

↑これはスマホカメラで撮影。

 

被曝建造物の本川小学校。平和資料館として公開されている。

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/320, ISO100

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/125, ISO400

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/80, ISO6400

A9 + SEL35F14Z,  F1.6, 1/125, ISO1250

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/250, ISO100

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/160, ISO100

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/125, ISO500  

A9 + SEL35F14Z,  F1.4, 1/3200, ISO100

本川に架かる空鞘橋より。川面を空に見立てて撮影。

A7S + Heliar10mmF5.6,  ISO100, 1/60

宇品で見かけた倉庫群。

 

ここからは竹原の写真。

A9 + SEL35F14Z

A7SII + Heliar10mmF5.6

そのまま時代劇の舞台にできそう。

A9+SEL35F14Z

A7SII + Heliar10mmF5.6

↑10mmという超広角レンズで撮った感じはあまりしないと思う。パースが強調されない構図を選べば広角っぽさは消せる。撮影した場所はここ↓

A9+SEL35F14Z

A9+SEL35F14Z

A9+SEL35F14Z

A9+SEL35F14Z

今にも逃げ出しそうな猫。実際このあと逃げられた。

A7SII + Heliar10mmF5.6

A9 + SEL35F14Z  

P30Pro

建物の古びた姿が曇り空によく合っていた。

最後は呉の灰ヶ峰

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灰ヶ峰中腹から撮影した街並み。高台から見下ろす街の風景が好きなのでここには来たいと思っていた。 細かい予定を立てずに行動していたので残念ながら時間が足りず展望台までたどり着けなかった。次来た時は展望台まで行ってみたい。

ただ、バスを降りてから2時間近く歩かなければならないのと帰りのバス少ないのがちょっと。

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